「ちゃんと説明したはずなのに、どうやら相手は理解していない」。それって、あなたの言葉足らずが原因かも。今回は、言葉足らずな表現になってしまう理由や改善法を、外資系OLコラムニストのぱぴこさんに教えてもらいます。
「もしかして、自分が言葉足らずだから伝わらなかったのでは……」と疑うようなことが発生した経験はありますか?
私は、特に日常生活で言葉足らずな表現になり、「え?」と聞き返されることがあります。
仕事では、伝わりやすさを意識して会話するため問題ないのですが、プライベートでは主語をはしょって話す癖があり、指示語(あれ、これ、あっち)が多くなるため、会話をする相手には頻繁に「何が?」「誰が?」と聞き返される苦痛の時間を過ごしています。つらーい。
「言葉足らず」の意味とは?
言葉足らずとは、「十分に説明できていないこと。また、そのさま」(出典:『デジタル大辞泉』)という意味で、「言葉足らずな表現」といった使い方をします。
要するに、「説明不足、説明下手」を指す言葉です。
「言葉足らず」が引き起こしがちな失敗例
言葉足らずが原因で、関係が悪化したり、誤解をまねいてコミュニケーションがうまく取れなかったりすることがあります。
冒頭に挙げた、主語の無い話し方がまさに「言葉足らず」でコミュニケーション不全の分かりやすい例ですが、恋愛・仕事・友人などケース別にどのような失敗が起こるか詳しく確認していきましょう。
(1)仕事の場合
仕事上で誤解があった時に、説明不足をわびるかたちで「言葉足らずで申し訳ありません」という言い方をすることは多いです。
これは、本当に説明不足の場合もあれば、顧客とのコミュニケーション上の行き違い、もっというと顧客側の理解不足の場合でも責任の所在を持つことでリレーションを継続させる場合に使われます。
説明不足だったり不明瞭だったり、理由はその時々で違いますが、相手と意思疎通が取れておらず、必要な合意が取れていないとこのような事態が発生します。
(2)恋愛の場合
恋愛において、特に女性は「察してほしい」という思いから言葉足らずになりがちです。いわゆる「におわせ」的な物言いで、相手の出方をうかがったり、相手が気持ちをくんでくれることを期待してしまったりするのは、文字通り「言葉足らず」といえます。
はっきりと言わないで「〇〇だったらいいのにな」と自分の希望を願望のように伝えたり、「△△ちゃんの彼氏は○○してくれるらしいよ」と伝聞系で行動を促したり……。これらの「当人は明確な意思があるのに、相手には伝わらない。もしくは伝わっても不快感が生まれる」伝え方はまさに言葉足らずでしょう。
また私のように、近しい人とのコミュニケーションだからと、主語が抜ける話し方をする人も注意が必要です。
(3)友人の場合
友人間であっても「言葉足らず」が原因で、誤解を生む場合はあります。また、それがきっかけで関係がギクシャクすることも……。近年はSNS、LINEなどの文字コミュニケーションも多く、それらを活用した場合の「言葉足らず」で実際の関係にも影響が出るパターンも見られます。
少し古いデータですが、総務省が2015年に発表した「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」では、調査対象者1178人のうち、約15%がSNS上でのトラブルを経験しています。
そして、そのトラブルが発生した理由の1位は「自分の発言が自分の意図とは異なる意味で他人に受け取られてしまった(誤解)」で7.4%と最も多く、「言葉足らず」がSNSでもトラブルの原因になりやすいことが分かります。
言葉足らずな人になってしまう理由
言葉足らずな人は、総じて「コミュニケーションが苦手」といえます。ただ、これは「しゃべるのが好き・嫌い」とは軸が少し違います。会話のキャッチボールができず双方の意思疎通がスムーズに取れないということです。
では、どうして言葉足らずになってしまうのでしょうか? 共通点を見ていきましょう。
(1)「何を言うべきか」考え過ぎてしまう
「正解を出さねば」と考え過ぎてしまう人は、言葉足らずになりがちです。人と会話することに不安を感じたり、大人数の前で緊張したりして、「次に何を言うべきか」を過剰に考えてしまうと、それが転じて言葉足らずになってしまうのです。
考え過ぎるが故に、人と話している時に不安や緊張に意識を取られ、本来自分が言おうとしていることが話せずに言葉足らずになります。