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女優・多部未華子に私が惚れ込む4つのワケ

エンタメ

多部未華子の演技はいつもフレッシュだ。明るくてかわいくて、可笑しくて切なくて、シリアスもコミカルも自然体で演じきる唯一無二の存在なのに、特別感を感じさせない。いつも私たちのすぐそばいるような、そんな魅力にあふれている。

多部未華子を観ていると、なんだか幸せな気持ちなる。なんだか明るい気持ちになる。何年もそう感じているが、いつも同じ表情を見せているかと言えばそうではない。女優としてのたしかな演技力の根底には、圧倒的なオーラ(近寄りがたい雰囲気)というより、親近感を抱かせるやわらかい雰囲気とクールで骨太なプロ意識があるようだ。だから、彼女を観ていると日常のしあわせに気づき清々しい気持ちになれるのだろう。

透明感あふれる声に凛がある

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みんな大好き!経理部の森若さんが大活躍
画像はAmazonより
『私の家政夫ナギサさん』が大人気となった多部未華子だが、2019年に放送された『これは経費で落ちません!』も彼女の魅力がふんだんに詰まった名作だ。領収書から見えてくるさまざまな人間模様に多部未華子演じる主人公の森若さんが、迷いながらも最善の方法で解決への糸口を探る姿は痛快だ。いかにもできます、完璧ですの典型を発動させることなく、私たちとデスクを並べる隣の女子社員が、背筋を伸ばして奮闘しているような姿には親近感がわくし、応援もしたくなる。
なんと言っても魅力はあの声だ。鈴のように澄んだ声で「NO」を表明する潔さ。フワっとした印象の多部未華子がキリリと踏ん張るからこそ、作品は魅力を増していくのだろう。私たちにとっての「わかる!」が詰まった演技が多部未華子は本当にうまい。

文学作品の持つ風や光をまとう演技が美しい

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研ぎ澄まされた感性がみごとだった
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文学作品で見せる多部未華子の静かな演技も魅力的だ。
奈良を舞台に古の儀式を描いたファンタジー『鹿男あをによし』(2008年)では、剣道部に所属する女子高生を研ぎ澄まされた感性でキリっと演じ、映画『夜のピクニック』(2006年)では、高校3年生の揺れ動く心を瑞々しく見せている。『ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~』(2017年)では祖母との関係が根底にあるからか、少女のような一途な想いが温かかった。
文学作品における、ふとこぼれる多部未華子のことばは、声の大きさや強さで視聴者をねじふせることはなく、コントロールが利いている。だから作品の持つまっさらでまっすぐな想いが、風や光をまといながら、そのまま視聴者の心に届く。彼女の演技が美しいと感じるのは、不要なアカがまったくないからかもしれない。

いつまでも色あせない、コメディエンヌとしてのチャーミングさ

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歌って踊っての多部未華子を堪能
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嗅覚で事件を解決に導く『デカワンコ』で鼻を駆使するときの顔は実におかしいし、映画『あやしい彼女』では、若返った73歳の歌って踊る姿で楽しませてくれる。とびきりハツラツな作品も彼女らしくて大好きだ。
『ドS刑事』では、妙な目ヂカラと上からのもの言いが、これまた不思議なおかしさだ。ユーモアたっぷりのふるまいも、多部未華子が演じると嫌味がなく清潔感がある。おそらく、彼女の真っ直ぐに立つ姿がくずれないことと、視聴者に対して斜めに構えることがないことからだろう。
スッとした立ち姿も彼女の強みだ。天然の明るさとキュートさをあわせもつコメディエンヌは、年齢を重ねても変わりそうにない。

ジャンルも立場も選ばない、ボーダーレスな魅力

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大家族に嫁ぐ女子大生を生き生きと演じた
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主演ではない作品でも彼女の存在は大きい。『東京バンドワゴン』(2013年)や『先に生まれただけの僕』(2017年)といった、ファミリードラマや学園ドラマでは、意志ある女性を好演し、『太陽は動かない-THE ECLIPSE-』(2020年)といったスリリングなアクションドラマでは、のみこまれることなく謎めいた女性を冷静に演じている。どんな時代のどんな設定にも、溶け込んでしまうしなやかさと、必ず爪あとを残す演技は多部未華子の女優としての実力であり、それを特別なことと感じさせないところが、実は特別なのだ。
悩める女性たちの声を代弁し支持を集めた『私の家政夫ナギサさん』の次に彼女が何を見せるのか、期待したい。多部ちゃんはまだまだ翔ぶ!

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