サイゼリヤが開発した、食事用マスク「しゃべれるくん」。現在はほとんどの客が使用していないけれど…?
イタリアンレストラン『サイゼリヤ』が、感染症対策のために開発した、食事用マスク「しゃべれるくん」。
9月3日には全店への納品が完了し、食事中の積極的な利用が呼びかけられているのだが、利用客は実際に使用しているのだろうか。
■紙ナフキン入れに設置されている
しゃべれるくんは、卓上の紙ナフキン入れに配置されており、手持ちのマスクに装着して使用する(※1号の場合)。取り出してみると、紙ナフキンとあまり変わりがないような感じも。
これを広げ、手順に従って手持ちのマスクに織り込むようにして“食事用マスク”を作成。同社によれば「10秒でさっと作れる」とのことだが、初めての場合は少々手こずるかもしれない。
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■店内で利用していたのは1組のみ
しらべぇ編集部でも、実際にしゃべれるくんを着用して食事をしてみたが、やはり食べずらさは否めず、店内で編集部員の他に着用していたのは、若い男性グループ1組だけであった。
また、別の店舗ではレジ横に数組置かれているだけで、卓上には普通の紙ナフキンが。店員が納品状況を確認していないという所もあり、店舗によっても対応にバラつきがあるようである。
インターネット上でも「テレビで見たしゃべれるくんが本当にあった! 誰も付けてなかったけど…」「しゃべれるくんの使い方店のどこにも書いてないし誰もやってない」といった声もあがっていた。
■大幅な改良が進められている
今のところ決して評判が良い様子ではないしゃべれるくんだが、同社は全店舗への納品完了の発表と同時に、YouTube動画にて「しゃべれるくん2号」を試作していることを明かしていた。
しゃべれるくん2号はマスクに装着するのではなく、会話をするときにだけ口元にあてがうタイプ。これなら「食べづらい」という最大の欠点をカバーできそうだ。
また18日には、高性能カメラを使って「しゃべれるくん」の効果を可視化する飛沫映像もYouTubeで公開。ここではさらに、2号に改良を加えた「しゃべれるくん3号」もお披露目されている。
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■サイゼリヤの徹底した対策
新型コロナウイルスの日本国内での感染拡大が始まって以降、感染症対策に尽力してきた同社。その最たるものが“奇策”とも報じられた「メニューの値上げ(一部メニューは値下げ)」で、端数をなくして会計をスムーズにすることで、客と店員の接触の機会を減らすために取られた対策だ。
また、「おうちでサイゼリヤ」としてテイクアウトメニューを充実させた他、店内での感染症対策への協力の呼びかけ、注文方法も大きく変更しているなど、隅々まで対策がぬかりない。
新型コロナとインフルエンザの同時流行が懸念されるこれからの時期、外食業界の救世主となる「改良版・しゃべれるくん」の登場を心待ちにしたい。
(文/しらべぇ編集部・越野 真由香)