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生活空間もギャラリーに いろんなことを試せる“余白”のある家で暮らす

インテリア

東急沿線の閑静な住宅地の一角に立つ田中邸。当初は半地下のスペースだけをギャラリーとして考えていたが、生活空間もギャラリー化して開いてみたらどうかと考えが変わったという。

「自然の間仕切りのようになっていてつくって良かった」という小上がりスペース。いずれ子ども部屋にする予定という。

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シンプルなデザインのなかに選び抜かれた家具や小物が収まる室内は和なのか洋なのかわからないニュートラルさを目指したという。

越してきてから2年と数カ月。奥さんは「余白が多い分収納のしやすさだったり使い勝手みたいな暮らしの基礎的な部分が定まるまでけっこう時間がかかりましたが、暮らしていくうちにとてもフィットしてきました」と話す。そして、家の中にいても外を感じることができるという。
「この1階だけでも、一周すると光や温度が違ったり見える景色が違ったりして、家の中にいてもちゃんと刺激があっていいなあと思いますね。あと2階に上がるとテラスで風も感じられる。そこで落ち着いて寝たりとかもしたりしているので、今のコロナ禍でも子どもを育てるのにもとてもいい家だなって思っています」

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1階から玄関スペースを見下ろす。

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2階には形が気に入って購入したというデンマーク製のアンティークの椅子が置かれていた。

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2階のスペースは6畳もなく天高も190cmと抑えられているが、大きな開口からテラスを通して視線が遠くまで抜けるため広く感じ振られる。

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玄関スペース。手前側を右手に進むとギャラリーと浴室がある。

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浴室はギャラリーに隣接してつくられている。手前から奥へ木の床が続いているように見えるのはタイル製の床。

「暮らしの中で自己表現をしていくなかでその表現の場として会社があったりこういう家があったりすればこれからの暮らし方も街のいとなみも変わっていくと思う」という田中さん。「それをまず自分たちが試して発信してみよう、どうせ家を建てるならそういう家にしようと思ってつくった」と話す。完成した家は「毎日の変化が気持ちいい空間ができた」という。
「居場所がたくさんあって、気分によって場所や配置を変えることができる。光や風の入り方も時間帯によって変わるのでそれに合わせて場所を変えたりもできる。半地下と2階とまったく異なる居場所があり、この1階の中でもまたいろいろな居場所がある。変化を楽しむことは想像以上に気持ちが良かったですね。仕上げも時間とともに朽ちていく美しさが好きで素地そのままにしたんですが、こんなに気持ちのいいものなのかと」。実際に住んでみて、田中さんは、意図した以上の気持ちよさを生活の中で日々実感しているようだった。

田中邸
設計 田中培仁 / /NOLK +ムカバトリ一級建築士事務所

NOLK

所在地 東京都世田谷区
構造 木造
規模 地上2階
延床面積  80.84㎡

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