isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
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2020年下半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
美しく生き延びる
今週のおひつじ座は、自己の中に二人の男女が内在し、両性具有的になっていくような星回り。
作家のヴァージニア・ウルフは、女性たちは自立するという「男らしさ」を捨てずに、負の「男らしさ」を抑圧することが重要だと考えていました。女性であっても自らの考えを持ってそれを言語化でき、反対に男性であっても女性の想像世界に入っていくことができるという両性具有的な能力を、「男女がタクシーに乗り込む」光景に喩えています。
この「タクシー」は決して男性がハンドルを握っているのでも、乗り降りの決定を一方的に下しているのでもなく、あくまで男女は左右のドアから平等に出入りでき、座席では協力のための会話がごく自然なトーンでなされているのかもしれません。
あなたもまた、みずからの無意識的な考えに改めて気付き、それを解きほぐしていくことがテーマとなっているのだと言えるでしょう。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
情念的な結びつき
今週のおうし座は、自分なりの仕方で身の内の情念を再認識していこうとするような星回り。
「寒き電線絡み入るスナック純」(坊城俊樹)という句に登場する「スナック純」が、どんな店なのかは分かりません。しかしどこか繁華街のはずれの一角で中年のママが女の子一人を雇って営んでいるような小さなお店を想像する人は少なくないでしょう。
路地の電信柱からは「絡み入る」電線がのび、作者の目から「寒き」ものとして描写されている訳ですが、そこに作者の「スナックはこうでなくちゃ」といったある種の美学がうかがえます。つまり、思わずふらっと立ち寄りたくなって、カウンター席でひとり飲んでいたとしても、誰かと共にいる感じがする。そうした絶妙な温度感を求めて、人は盛り場を場末まで流れてしまうのではなかったか。
575の定型からだいぶ崩れた破れ調子の掲句を詠んでいると、どうしてもそんな一群の酔客の不確かな足どりを思い描いてしまいます。あなたもまた、「〇〇はこうでなくちゃ」といった極私的な好みや欲求を改めて全開にしていきたいところです。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
鎮魂の狼煙をあげよ
今週のふたご座は、否定的な出来事までも、貪欲に飲み込んでいこうとするような星回り。
日本最古の歌集である『万葉集』というと、すごく素朴でひなびた世界がのびのびと書かれていると思われがちですが、実際はそうではありません。中大兄皇子(天智天皇)が遷都した大津宮は壬申の乱(672)のため、たった5年しか使われませんでした。作っては棄て、作っては棄てで、残された都には敗者の怨念が残った訳です。
そこに登場してきたのが柿本人麻呂(645頃~710頃)で、彼はそうした怨念を慰め、鎮魂するための「文学」として和歌の形式を確立していきました。人麻呂の根底にあるのは、かつてあった都市文明が壊れてしまったという喪失の感覚であり、日本の文学の源流というのは野生や野蛮からではなくこうした首都の崩壊から始まっているんですね。
あなたもまた、単に無批判に「〇〇ってこんなにすごいんですよ」という快楽的な物語を提示するのではなく、ネガティブな物語も飲み込んだ上で、自身の物語を紡ぎだしていくことが求められつつあるのだと言えるでしょう。