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23巻完結の漫画、じつは名作が多い説 しかし『鬼滅の刃』と決定的な違いも…

エンタメ

4日に最終巻が発売となった漫画『鬼滅の刃』だが、『週刊少年ジャンプ』の作品には同じく23巻完結の名作が多いことをご存知だろうか。

今月4日に最終23巻が発売された漫画『鬼滅の刃』だが、全23巻というボリュームを「ちょうど良い」と捉えるファンもいれば、「あまりに短すぎる」と嘆くファンも少なくない。

鬼滅の刃

今回は、23巻で完結した往年の漫画作品と『鬼滅』の共通点を探っていきたい。

■「23巻」というポジション

まるまる4年以上に渡って『週刊少年ジャンプ』にて連載を続けた『鬼滅』は決して短期連載の漫画でなく、どちらかと言えば長期連載に含まれる部類の作品である。

にも関わらず「もっと連載を続けてほしかった」という声が完結から半年以上経つ今もなお止まないのは、同作がファンの心を掴んで離さないという証左に他ならないだろう。

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ちなみに他作品における23巻とは『ドラゴンボール』でいうとギニュー特戦隊と死闘を繰り広げている当たりで、『ジョジョの奇妙な冒険』では、魂を賭けたポーカー勝負の真っ最中である。

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■作者と編集部の葛藤

『ジャンプ』に限った話ではないが、人気作品はなるべく終わらせず、可能な限り長く連載させたいのが編集部サイドの本音。そのため連載が長期化した作品の中には、本来の予定になかったストーリーを挟んだり、明らかに途中からテンポが悪くなってしまう「引き伸ばし」の症状を見せるケースも少なくない。

場合によっては「途中までは最高に面白かった」「◯◯編で終わっていれば名作だった」などの不本意な評価に落ち着いてしまう作品も。

しかし本記事を書くに当たって『ジャンプ』の23巻完結漫画のタイトルを確認してまず感じたのが、「いずれも引き伸ばしなく終わった作品」ということである。

■じつは「悲しい共通点」もあった

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まずは、96年から00年にかけて連載した藤崎竜氏の『封神演義』に注目したい。中国の同名の古典怪奇小説を下敷きにした同作は、繊細なタッチで描かれた魅力的なキャラクター、藤崎氏特有のメタネタが光るユーモアセンス、時折垣間見えるシリアス描写が、古代中国の世界観と見事に融合した傑作である。

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05年から09年にかけて連載された『魔人探偵脳噛ネウロ』も23巻で完結した名作で、作者の松井優征氏は同作の後に『暗殺教室』でヒットを飛ばしたことは記憶に新しい。

いずれも作者の尖った感性が多くの読者を魅了した名作たちで、「引き伸ばし」の症状が見られない点を評価するファンも多い。しかし悲しいことに、2作とも「アニメ化に恵まれなかった」という悲しい共通点が。

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■『鬼滅』はアニメでブレイクしたのだが…

07年よりテレビアニメが放送された『ネウロ』だが、アニメオリジナルストーリーや、キャラの魅力を尽く外し切った改変は多くの視聴者を落胆させ、「あれはネウロのアニメではない」と主張する原作ファンも多数。実際、Googleにて「ネウロ」「アニメ」というワードを入力すると、「なかった」という身も蓋もないサジェストが登場する。

『封神演義』に至っては99年に放送されたアニメ『仙界伝 封神演義』の原作改変が多くのファンから不評を買い、2018年には『覇穹 封神演義』としてまさかの再アニメを果たした…のだが、あまりに駆け足すぎるストーリー展開などから、こちらも評価は散々。

一方で、同じく23巻完結の『鬼滅』はアニメのブレイクを切っ掛けに確固とした人気を築きあげており、漫画作品における「アニメ化」がどれほど重要であるか伺えるというものであろう。

(文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)

秋山 はじめ
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