年齢を重ねるにつれて太りやすく&痩せにくくなっていると感じる人は多いはず。とはいえ食事でダイエットをしようにも、家族と別のダイエットメニューを作るのは面倒。育ち盛りの子供たちに低カロリーメニューを強いるのは忍びないし、夫からは味気ないと不満も出てきそう…そんなお悩みをお持ちの女性に朗報です!管理栄養士の石松佑梨さんにダイエットに嬉しい&満足度や栄養価も高いレシピや食べ方を教わります。
ちゃっかりラク痩せごはんとは……?
GLOCAL EATs ソーシャルデザイナーの石松 佑梨です。
私はこれまで管理栄養士として、2万人以上の人たちの食事指導をしてきました。とくにトップアスリートたちのコンディショニングを食でサポートしてきました。最近では、誰もが美味しく、健康でいられるメソッドをソーシャル向けにリデザインした、「コンディショニングめし」を提案しています。今回から家族の食事を担う40代のみなさんのために、自分にも家族にもうれしい「ちゃっかりラク痩せごはん」を提案していきます。
お正月の定番、お雑煮!美味しいからついつい食べ過ぎてしまうけれど……。
私たち日本人は、元旦におせち料理とともにお雑煮を食べる習慣があります。お雑煮は、一年の無病息災を願い食べる伝統的な料理。お椀のなかの具材や出汁、お餅の形は地域や家庭ごとに異なりますが、どこでも必ずお餅は入っています。お餅は腹もちが良いので満腹感も得られやすい食品ですが太るイメージがあるため、我慢をしている人も多いのではないでしょうか。今回は家族と食べるお雑煮でも「ちゃっかり楽痩せごはん」ができるコツをお教えします。
お餅は〇〇で代用!赤ちゃんや高齢者にも◎
各家庭ならではの出汁と具材を用意したらお雑煮のメイン、お餅の登場です。このお餅、日本の東側は角餅、西側は丸餅と形が異なります。なかには、あんこ餅を食べる地域もあり、日本の食文化はとても興味深いものです。
家族のみんなと同じようにお餅を食べたいところですが、ちゃっかり楽痩せを考えているのであれば「焼き豆腐」で代用してみてはいかがでしょうか? 焼き豆腐は、糖質オフだけではなく、たんぱく質もしっかりとれるのでダイエットには最適。焼き豆腐ならば離乳食期の赤ちゃんもつぶして食べることができますし、高齢者の方も喉に詰まらせる心配もありません。
白玉粉とお豆腐で作る「豆腐白玉」でもちもち触感!
とはいえ、お豆腐ではちょっと味気ない、もう少しお餅のもっちり感を味わいたいという人には「豆腐白玉」をオススメします。
作り方はとっても簡単!白玉粉と豆腐を1:1の割合で混ぜるだけ。白玉粉の半分量を豆腐に置き換えることで糖質オフにつながりますし、なんといっても豆腐からたんぱく質を補給できます。さらに、先ほど提案した焼き豆腐同様、高齢者にも安心です。そもそもこの「豆腐白玉」は介護職として生まれたレシピ。喉にも詰まりにくい「ふわもち食感」は咀嚼力が弱い高齢者にも優しいレシピなのです。冬休み中のお子さんと一緒に作っても楽しいかもしれませんね。
【超簡単!豆腐白玉の作り方】
白玉粉:絹ごし豆腐=1:1を準備し、ボウルの中でなめらかになるまで混ぜる
※豆腐の種類により水分量が違うため、水気が少ないと感じたら少しだけ水を加える
生地を丸めたら沸騰した湯のなかへ
浮き上がってきたらザルにあげ、冷水にさっとくぐらせ水気を切る
白菜はダイエットの強い味方!
次に具材です。この具材も地域によって入れるものが異なりますが季節の野菜はぜひとってほしいものです。とくに冬野菜の代表でもある白菜は必ず入れてほしい食材のひとつです。その理由は、お雑煮と一緒に食べるお節料理にあります。お節料理は保存を効かすために砂糖や塩を多く使っています。しかし、砂糖の吸収を遅らせてくれる水溶性の食物繊維を含む白菜は、塩を体外に排出してくれるカリウムも含んでいるために高血圧を防ぎ、暴飲暴食によってむくんだ体を軽くしてくれます。
年末年始こそ、たんぱく質と野菜を!
年末年始は、人込みを避けておうち時間が増えそうです。そんな異例ともいえる今回の年末年始は、例年よりもたんぱく質と野菜を多くとるように心がけてください。たんぱく質はかまぼこなどの練り製品が手軽ではありますが、なるべく加工されていない肉や魚、卵を選択しましょう。
お雑煮の出汁も時間をかけてとってみませんか?
最近は出汁パックでも美味しい出汁はとれますが、自分で出汁をとりませんか? 塩の使用量も減るうえにうま味たっぷりの出汁が取れますよ。でも、お正月早々、そんな手間はかけられない……という方には「ほったらかし出汁」がオススメ!
水1Lに対して、昆布30gをポットに入れて一晩置いておくだけです!
昆布の代わりにかつお節や干ししいたけ、煮干しでも大丈夫。また、昆布とかつお節を半量ずつにすれば、「植物性のうま味成分」と「動物性のうま味成分」の相乗効果で単独の出汁に比べて7〜8倍の旨味を感じることができるといわれています。うま味がしっかり効いた料理は、減塩でも物足りなさは感じにくいでしょう。ほったらかし出汁は、お雑煮はもちろん、煮物や味噌汁など、さまざまな料理に使えますよ。
仕上げにゆずの果皮を忘れずに。
料理の香りづけに用いられることが多いゆず。その独特の香りは料理を引き立て、減塩効果も期待できます。また、柑橘の香りには疲労回復、リラックス効果、ストレス軽減と精神的な効果もあります。
コロナ禍により、自宅で家族と一緒にのんびりとした年末年始を過ごせそうな反面、リラックスしすぎて食べすぎないように注意しておきたいものです。お正月の定番料理、お雑煮作りも少しの工夫で「ちゃっかり楽痩せ」できるので参考にしてみてくださいね。
■プロフィール
石松 佑梨(いしまつ ゆり)
GLOCAL EATs ソーシャルデザイナー
17年間の管理栄養士経験で2万人以上の食事指導に携わる。スポーツ分野ではサッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの「なりたい」を「コンディショニングめし」でサポート。現在は、そのノウハウをソーシャル向けにリデザインし、誰もがおいしく食べて健康になれるヘルスインフラの構築に注力している。