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注目のトランスジェンダー女優に直撃! 人生に必要な3つの要素とは?

年齢を重ねていくと、愛する人との別れや耐え難い困難に見舞われたという経験もしたことがあるはず。そこで、自分らしく生きることの大切さと女性としての強さを感じさせてくれる映画をご紹介します。それは……。

魂を揺さぶる感動作『ナチュラルウーマン』!

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【映画、ときどき私】 vol. 145

チリ、サンティアゴ。ウェイトレスとして働きながら、ナイトクラブで歌っているマリーナ。トランスジェンダーというセクシャリティと向き合いながらも、年の離れた男性の恋人オルランドと仲良く暮らしていた。しかし、マリーナの誕生日を祝った夜、オルランドが急死してしまう。

最愛の人を失った悲しみに打ちひしがれるなか、マリーナはトランスジェンダーであるがゆえに、周囲から容赦ない差別と偏見を浴びせられることに。2人で暮らしていた部屋からも追い出され、葬儀にも参加することを許されないマリーナにとって唯一の願いは、愛する人に別れを告げたいという思いだけだった……。

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観る者の心をつかんで離さない本作は、すでに各国の映画祭や賞レースをにぎわせていますが、今回はヒロインを演じたこちらの方にお話を聞いてきました。それは……。

唯一無二の女優ダニエラ・ヴェガ!

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劇中で圧倒的な存在感を放っているのは、マリーナ同様に自身もトランスジェンダーであるダニエラさん。まもなく行われるアカデミー賞授賞式ではプレゼンターにも選出され、話題となっているところです。そこで、本作出演のきっかけや女性たちに伝えたい思いなどを語ってもらいました。

これまでにいくつもの賞を受賞していますが、先日発表されたアカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされたことでも注目を集めている作品。

ここまで反響のある作品になると思っていましたか?

ダニエラ 考えたことはなかったので、ものすごく驚いているけれど、同時にとてもうれしく思っているわ。

脚本の段階から監督の相談に乗っていたそうですが、そもそも出会ったきっかけは?

ダニエラ 共通の友人から「セバスティアン・レリオ監督がチリのトランスジェンダーについて知りたがっている」と言われて初めて会ったのよ。でも、脚本のために会うというのは知らなかったから、最初の1年半くらいはただ話していただけだったわ。

そのあと、出演して欲しいと監督から言われたときはいかがでしたか?

ダニエラ まったく予想もしてなかったからすごく驚いたわ。だけど、言われた瞬間に「はい」と返事していたわね。なぜなら、女優として挑戦だと感じたからよ。

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とはいえ、この役を演じるのは人生のなかでも難しい作業だったそうですが、一番難しさを感じたのは?

ダニエラ どこがというのがわからないくらいすべてが困難だったわ。でも、私は困難を困難と思わないくらい挑戦することが好きなの。だから、難しいと思うときもあったけど、それと同時に楽しかったし、そういうときにはいいものが作れるというのがわかるものなのよ。

役作りをする際に意識していたことはありますか?

ダニエラ 私はマリーナを演じるにあたって、自分が考えた3つの柱というのがあったの。それは、尊厳と反逆性と打たれ強さ。これをベースにしながら、マリーナの人間性やキャラクターをどんどん積み上げていくようにしたのよ。

なぜなら、この3つの要素というのは、男性女性に関係なく、誰にでもあるもの。あとは、それをどういうふうに人生のなかで使っていくかということだと思っているのよ。だから、各シーンでどのように自分の感情を出していくかを意識したわ。そうすれば、観ている人にとっても感情的に深いところまで旅ができるような映画になると思っていたからなの。

マリーナは愛する人の死を乗り越えようと強さを見せますが、その源となっていたものは何だと思いますか?

ダニエラ それは彼女がどうしてもしなければならないこと、自分がしたいことがあったから。つまり、オルランドに別れを告げるという目標のためよね。人は悲しみよりも目標のために強くなるということもあると思うの。特に、マリーナは尊厳と反逆性を持っている女性だから、それらによって強くなれたということもあるんじゃないかしら。

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そんなふうに強くありたいと思う女性に対してアドバイスするとしたらどんなことですか?

ダニエラ 私は「こうしなさい、ああしなさい」というメッセージを出す立場ではないと思うので、みなさんにしたいのは、「幸せになるために何をしてますか?」という問いかけだけよ。なぜかというと、人生は一度だけよね。だから、その一度きりの人生を生きようと思えば、強くもなれるはずよ。

観客にはこの作品からはどんなことを感じ取って欲しいと思っていますか?

ダニエラ そのときに浮かんだいろんな疑問とかが映画のおもしろさであって、できれば答えは自分で見つけて欲しいと思っているわ。観客は自分で想像できるものでもあるから、こちらがすべてを言いたくないというのもあるの。

「もしこれがこうなってなかったら」とか、「もしキリストが死んでなかったら」みたいなところからみんな映画を作っていると思うので、映画を観るときにはそういうところを楽しんで欲しいわね。

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女性としての生き方を描くいっぽうで、現代のトランスジェンダーの現状についても突きつけられる本作。

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