年がら年中バタートーストを食べて過ごしているバタートースト評論家・梶田香織です。今回は、たくさんある喫茶店の中からバタートーストがおいしいお店を見つけるコツをご紹介します。あなたもきっと最高のバタートーストに出会えるはず!
バタートースト評論家 梶田香織
最高のバタートーストに出会いたい
皆さんにバタートーストの魅力を知ってもらうべくお送りしているこの連載コラム。バタートーストをもっと好きになってもらうためにも、今回はおいしいバタートーストが食べられるお店の見つけ方をご紹介したいと思います。
これまで500軒ほどのお店のバタートーストを食べてきた中で、おいしいお店にはいくつかの法則があることを発見しました。
・カフェというより喫茶店。
・コーヒーにこだわっている。
・パンメニューの種類が多い。
それぞれの法則について詳しく書いていきます。この記事を読めば、最高においしいバタートーストに出会えるかも!? お店選びの参考にしていただけると嬉しいです。
「カフェ」よりも「喫茶店」が狙い目
昔はいかにも「喫茶店」、というお店が多かったのですが、このところ続いているカフェブームでおしゃれな「カフェ」が増えました。私もあの、ちょっぴり”イイ女”になったような気分を味わえるカフェの雰囲気、大好きです!
でも、バタートーストを食べたい、というときは喫茶店に行きます。
最近のおしゃれな「カフェ」にはバタートーストがメニューにない場合もありますが、昔ながらの「喫茶店」にはほぼ間違いなくあります。しかも古いお店ほど、採算度外視しているのではと思うほどドーンと大きなトーストだったり、端までちゃんとバターが塗られていたりとトーストに心動かされることが多いのです。
コーヒーへのこだわりを察する
おいしいバタートーストが出てきそうなお店を見つけるには、お店に入る前から入念なチェックが欠かせません。当たりを付けるためのポイントは、大きくは次のふたつです。
コーヒーにこだわる店=トーストにこだわる店
コーヒーの豆を自家焙煎している。コーヒーの種類がたくさんある。そんなお店の店長さんは、お店のメニューに徹底的にこだわる人です。
コーヒーにはとことんこだわるけれど、トーストはなんでもいいという人は少ないでしょう。
また、コーヒーにこだわるお店には舌の肥えた人が集まります。コーヒー好きな人は、モーニングタイムなどにトーストも食べる機会が多いため、知らず知らずのうちにおいしいトーストを見極める舌ができています。
せっかくのおいしいコーヒーにレベルのつりあわないトーストを出していたら、お客さんがほかのお店に逃げてしまいます。だから「トーストもおいしくしなきゃ」ってなりますよね。
「やる気」は店の外観に表れます
ノボリや貼紙、看板などをチェックしてください。外観からお店の「やる気」が感じられるなら、そのお店のトーストは期待度、”大”です。
黒板タイプの立て看板や、日替わりランチの内容を書いた小さなホワイトボード、「おいしいコーヒーでお待ちしています」と書いた手書きの貼紙。それらはすべて、通りがかりのお客さんにも入ってほしいという一生懸命な気持ちの表れです。
そんなお店はやはり料理にも「やる気」が感じられたり、気持ちがこもっていることが多いのです。ぜひお店に入って食べてほしい!そんな気持ちが、入る前から感じられるお店を探してみましょう。
メニューを開いたら、ここをチェック!
さて、ここはおいしいバタートーストがありそうだ!と思ってお店に入ったとします。
私の場合、地元の名古屋であれば、まずは調理場をチラッと見て、食パンを探します。
東海地区には業務用のおいしい食パンを作るメーカーがあり、そのメーカーの袋やパンが置いてあれば、とりあえずこのお店はハズレではなさそうということがわかるのです。
そこまではちょっと……という方、まずはメニューに注目してみましょう。
パンメニューの数は?
メニューを開いたら、まずはパンメニューの数と種類に注目してください。
どこの食パンを使っているか把握しにくい場合、次に重要なポイントは食パンの新鮮さです。古い食パンを使ったトーストは当然おいしくありません。
食パンが常に新鮮であるには、仕入れては出すを繰り返すことでパンが回転していなければなりません。パンメニューが多いほど食パンを使う頻度が高まり、消費スピードが速くなり、食パンの回転も速まります。
メニューにトーストとサンドイッチが2~3種類しか載っていない。しかも文字だけで、写真は一切無しといった場合は、ハズレか大当たりのどちらか。私でも注文にちょっと勇気を要します。(笑)
逆にバタートーストの写真がいかにもおいしそうな顔をして載っていたり、手書きの文字やイラストに一生懸命さが感じられたら、それは脈ありです。
サンドイッチは何種類載っていますか?
ハムサンド、野菜サンドといった定番メニューのほかに「照り焼きチキンサンド」「ふわふわ厚焼き卵のトーストサンド」というように、数は少なくてもその中で具材や名前のつけ方に工夫がされているメニューがあれば、お店の人がパンをおいしく食べてもらおうと努力している証拠。
ということは、バタートーストの味にも期待が持てます。工夫されたメニューに惹かれて食べる人が増え、パンの回転率が高まっている可能性も大きいでしょう。