5月26日(土)公開の『男と女、モントーク岬で』は、忘れられないかつての恋人との再会というロマンティックな展開から、男性と女性の恋愛観の決定的な違いを描いた映画。大切な恋の輝かしい思い出が、未来へ向かう力をくれる、味わい深い物語を是非劇場でお楽しみください。
誰にでも忘れられない恋
物語の主人公は、ベストセラー作家のマックス。新作のプロモーションのためニューヨークを訪れたときに、17年前の恋人レベッカと再会するところから物語がはじまります。かつて、彼はこの街でレベッカと出会い激しい恋に落ちましたが、小説のネタを求めて各地を彷徨うたび、いつしか音信も途絶えてしまいました。今、人生の折り返し地点で過去を振り返ったマックスは、レベッカこそ“夢の女”だったと確信します。彼女との思い出を綴った新作の小説を携えて、かつての恋人であるレベッカと再会を果たしますが、彼女は別れた後に何があったのかを一切語ろうとはしません。しかし、失意のマックスがニューヨークへと発つ3日前、レベッカからモントーク岬への旅の誘いが舞い込みます。そこは幸せの絶頂にいた2人が訪れた思い出の場所でした。
監督の念願叶って誕生した、艶やかな大人のラブストーリー
本作品は、マックス・フリッシュの自伝的小説「Montauk」をもとに、物語の基本的な構成要素を抜き取って構成されています。もともとの小説はフリッシュ自身がニューヨーク滞在中の週末に、マンハッタンから約180km離れたモントークで過ごした様子を綴ったもの。
その作風が自伝的であることに加えて、あまりに随筆風なので、フォルカー・シュレンドルフ監督は、映画はできないと思っていたんだそうです。しかし、長年にわたり企画を温め、念願叶って艶やかなラブストーリーが誕生しました。
味わい深い人生を称えるアンサンブル
本作の主演を務めたのは、スウェーデンの国民的名優ステラン・スカルスガルド。ラース・フォン・トリアー監督の問題作から、『アベンジャーズ』などのハリウッド大作まで、幅広く国民的に活躍する俳優です。自分と自分の作品が一番大事だという身勝手さがありつつも、その魂に嘘や偽りがないため、関わった女性から愛される小説家をチャーミングに演じました。レベッカには、2007年にベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)を獲得し、ドイツを代表する女優の一人となったニーナ・ホス。豪華なマンションに猫と暮らすミステリアスな女性を好演しました。
レベッカが語ろうとしない、別れてからの17年間には何があったのでしょうか、去った恋人への想いはどのように変化していったのでしょうか?
1つずつ謎が明かされるたびに、夢の女性から現実の女性へと、息を吹き返していきます。
大切な恋の輝かしい思い出が、未来へ向かう力をくれる、味わい深い物語を是非劇場でお楽しみください。
photo / ©2017 Ziegler Film GmbH & Co. KG, Volksfilm GmbH, Pyramide Productions,Savage Productions Ltd, Gaumont S.A., ARTE France Cinema, WDR, BR, ARTE,Barefoot Films GmbH, Senator Film Produktion
『男と女、モントーク岬で』
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開中
監督:フォルカー・シュレンドルフ
キャスト:ステラン・スカルスガルド、ニーナ・ホス、スザンネ・ウォルフ、ブロナー・ギャラガー
原題:Return to Montauk