人気の器作家に、作品作りにかける想いをうかがう連載企画。今回は、小澤基晴さんにインタビューを行いました。代表作のひとつである粉引の器の誕生秘話や、作品の活用術など、貴重な小澤さんの生の声をお届けします。
macaroni編集部
使い手との交流も大切にしたい。
最後に、Instagramを通したファンの方々との交流について、お聞かせ下さいました。
「自分が作った器を使ってくれている方々が全国にいらっしゃるというのは、なんだか不思議で、とてもありがたいことです。Instagramは皆さんからの感想がダイレクトに届く場所で、大切にしています。地方へ行くのも大好きで。事前に展示会の宣伝をすると、『小澤さんここのお店おいしいからぜひ行ってみて〜』ですとか、みなさんから情報をもらえるのもとてもうれしくて。
反対に、私からは作陶の様子や窯出しの瞬間を写真や動画で発信することで、作家の私しか知らない、物づくりの過程をお見せできたらと思っています。はじめは深い意味はなかったんですが、こんなに地道で単純な作業なんですよと知ってもらったり、ワクワクや緊張、うれしい瞬間を皆さんと共有したり。見せびらかしたいなーという気持ちもありますね(笑)
展示会やクラフトフェアなどで全国を回り、各地の方々とお会いして、お話しするのが私の人生だと思っています。まだまだ行ったことのない所が沢山あります。これからも、沢山の方々とお話ししていきたいです」。
次回の作家さん
次回ご紹介する作家さんは、小澤基晴さんの作家仲間であり、和歌山県で「焼締め」に情熱をかたむける平岡 仁さん。会社員から作陶家へ転向された経験を持ち、今や「使えば使うほど育つ器」で多くの器ファンを魅了しています。Instagram上では「#バンシャク部」でも有名です。テーブルの印象を引き締める、キリッと男前な作品作りの秘密とは?
文・構成/出口菜津実(macaroni編集部)