「老後に向けて、VIOのケアしてる?」。最近、アラフォー女性の会話でたびたびテーマとなるこの話題。みなさんも耳にしたことがあるのでは? ところで、なぜ、老後に向けてVIOのケアが必要になるかをご存じですか? 気になるけど、なぜ必要なの? 老後に向けたVIOケアってどうするの? そんな疑問を持つ方のために、今回は、医療脱毛専門院『リゼクリニック』新宿院院長の大地まさ代医師に、気になるアラフォーからのVIOケアについて伺いました。
VIOケアへの興味、関心は年々高まっている
最近よく耳にする「VIO(ヴイ・アイ・オー)」という言葉ですが、実際にどの部分をさすのかご存じでしょうか? VIOとはアンダーヘアのことで、下記の脱毛範囲をさすようです。
リゼクリニックの調査では、この5年でVIO脱毛の女性患者数が約5倍増という結果がでています。この調査結果を見ても、年々VIOケアへの興味、関心が高まっていることがわかりますね。
さらに、40代以上でアンダーヘア脱毛の契約をされる女性患者さんは、この10年で75倍増なんだとか。これは、老後に向けたVIOケアの意識が高まってきているということを実証しています。
VIOケアへの興味や関心は高まりつつありますが、ケアすることでどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。大地先生に詳しく教えていただきました。
医師に聞く介護脱毛のメリット、デメリット
――リゼクリニックでは40代以上のアンダーヘア脱毛の契約者数が10年で75倍増という数字にも表れているとおり、老後に向けてVIOケアを意識している方が増えているのではないかと思います。ケアすることで得られるメリットとはどんなことがあるのでしょうか。
将来、自分が介護される立場になったことを想定し、その準備としてあらかじめデリケートゾーンを脱毛して、介護者の負担を軽減させたい、という思いから「介護脱毛」を希望される方が増えているようです。
実際にご自身の老後を想定し将来介護される側になった際に、身体の清拭(せいしき)や排泄後の拭き取り等が介護者に負担とならないようにと、特にデリケートゾーン(Vライン、Iライン、Oライン)の脱毛を希望される方が増えています。介護脱毛のメリットとして下記の3つが挙げられます。
メリット1:陰部の炎症や感染症を防ぐ
デリケートゾーンは拭き取ったつもりでも毛や皮膚の間に排泄物が残りやすい部位で、炎症や感染症を引き起こすこともあります。そういった陰部の炎症や感染症を防ぐことができます。
メリット2:オムツ交換の際のニオイを軽減
陰毛がある状態でオムツをしていると、菌が増殖し、ニオイがきつくなり介護の負担も大きくなります。VIOケアをすることでニオイを軽減できるメリットがあります。
介護脱毛のメリット3:介護士の清拭が楽に
介護士はしっかりと局部の状態を確認し、陰毛に排泄物がこびりついていれば、取り除かなければいけません。VIOケアをすることでその手間を軽くすること、またその際強くこすることでの皮膚トラブルの発生を軽減することができます。
このように、デリケートゾーンは拭き取ったつもりでも毛の間や皮膚に排泄物が残りやすい部位なので、炎症や感染症を引き起こすこともめずらしくありません。高齢で介護を必要としている状態だと免疫力が低下している場合も多いですし、オムツなどでは菌が増殖して感染症のリスクが高まります。そのため、介護者はより丁寧に清拭をする必要があるわけですが、ごしごし拭いて肌を傷つけてしまってはよくありません。
介護脱毛のメリットとしては、やはり事前に行っておくことで、感染症や皮膚トラブルのリスク、オムツ交換の際の臭いを軽減することが期待できます。介護脱毛は、介護される人、介護する人の双方に大きなメリットがあると思います。
老後でなくても感じる快適さ
――いずれ、介護を受ける立場になることを考えると、脱毛はしておいたほうがメリットが大きいということですね。介護以外の部分でのメリットもあるのでしょうか。
介護脱毛に限らず、VIOゾーンは汗や生理時の出血などで非常に蒸れやすくデリケートな部位です。常に下着も身につけているため、他の部位に比べ非常に雑菌が繁殖しやすくなっている部位でもあります。
雑菌の温床となるムダ毛の処理を行うことで、デリケートなVIOゾーンを清潔に保ちやすくなります。繁殖した雑菌から気になるニオイが発生するので、ムダ毛の処理を行うことで雑菌の温床をなくし、通気性も高まることでVIOゾーンのニオイを軽減することが期待できます。
最近は、中高年の方も美意識が高く、ご自身の健康にも気を使い、ご自分の時間を楽しんでおられる方もとても多いです。おしゃれな下着を身に着けたり、プールに行くときにも自己処理をしているという方も多く、だんだん目が悪くて見えにくくなってきた、処理した後も毛穴が目立ちあまりきれいではない等の悩みも多く、脱毛後は驚くほど快適になると思います。
――アンダーヘアの脱毛をする場合、全く残さないハイジニーナ(無毛)や、デザイン的に残す場合があると思うのですが、どちらが良いというのはありますか?
無毛とデザイン脱毛についての好みは人それぞれです。新宿院で脱毛をされる方でいうと、無毛とデザインの割合は半々くらいだと感じます。ただ、これは地域によっても変わってくると思うので、割合は地域によっても変化すると思います。
年齢が高い方は、温泉などの公共施設利用の際に人目が気になることや、白髪だけが残り目立つことなどを気にされ、デザインを選択される方が多いようです。VIO脱毛に関しては、「無毛」はもちろん、「逆三角形」や「I型」など、さまざまなデザインのご希望にも対応が可能です。
始める時期や注意点は?
――年齢を重ねると、自然に毛量が薄くなったり、毛自体が細くなったりという変化はあるのでしょうか。
一般的には、加齢に伴う女性ホルモンの減少や、毛を生み出す毛母細胞への栄養不足から、毛が細くなり薄くなるという傾向はありますが、毛の量や毛の密度、濃さなどには個人差があるため、加齢に伴い全ての人のアンダーヘアが薄くなる、ということはありません。
毛量が減っても、完全にツルツルになるという方はかなりレアなケースだと思いますので、脱毛の目的が介護脱毛であれば、脱毛したいと思われた時に通い始めてもよいのではないでしょうか。
――お話を聞いていると、VIO脱毛をするというのはメリットが大きいという印象です。40代を過ぎて、VIO脱毛を考えたときに注意すべき点があれば教えてください。
更年期以降の女性は、女性ホルモンの低下や免疫力の低下に伴い、皮膚の乾燥やかぶれなどが起きやすくなります。日頃から免疫力を高める生活や、デリケートゾーンの清潔を保つこと、皮膚の保湿などを心がけるとよいと思います。
症状が強い場合は、産婦人科などに相談され、あらかじめデリケートゾーンの状態を健康に保つことで、安心して脱毛できます。