女性の体に、月に一度訪れる生理。必要なサイクルではあるものの、体の不調やメンタルの変化に悩まされることも。でも、ホルモンバランスについて知ることや食事に気を付けることで、不快な症状が解消できるかもしれませんよ。今回は、生理にまつわるホルモンバランスと栄養素について解説します。
生理とホルモンバランスの変化
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)・プロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。
それぞれの働きは以下の通り。
エストロゲン・・・排卵日前に分泌量が増えるホルモン。女性らしい体づくりを助け、子宮内膜の肥厚(妊娠の準備)などの働きをします。
プロゲステロン・・・排卵日後に分泌量が増えるホルモン。乳腺の発達や水分の取り込み、食欲増進などの働きをします。
これら2つの女性ホルモンの分泌量が1ヶ月を通して変化することで、生理の誘発や妊娠といった体の変化が起こります。
そのリズムに合わせて必要な栄養素を補ってあげることで、生理による不調の緩和が期待できますよ。
【生理前】おすすめの栄養素と食材
排卵日後=生理前はプロゲステロンの分泌量が増えることで、むくみや食欲増進・体重増加などの変化が起こります。そこで、次の3つの栄養素や食材を積極的に摂るようにしましょう。
①カリウム
体にため込んだ水分を体外に排出する働きをする栄養素。野菜や果物に豊富に含まれています。生理前で体のむくみが気になる方は、積極的に食べるようにしましょう。
また、 野菜に含まれるカリウムを余すことなく取り入れるために、スープや味噌汁などの調理方法も◎。
<カリウムを豊富に含む食材>
バナナ・キウイ・トマト・きゅうり
②根菜・芋類
生理前に食欲が増すという方は、しっかりと噛んで食べることで満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぎましょう。根菜類や芋類は野菜の中でも硬いので、おすすめですよ。
また、生理前はホルモンバランスの関係で便秘になりがち。食物繊維を豊富に含む根菜・芋類を食べることは、腸内環境を整えるのにも役立ちます。
<おすすめの根菜・芋類>
ゴボウ・レンコン・かぼちゃ・さつまいも
③ビタミンB6
生理前になると血液中のビタミンB6濃度が低下し、イライラなどの症状を招くことが明らかになっています。ビタミンB6を補うことで、生理前症候群(PMS)解消に効果が期待できますよ。
<ビタミンB6食材豊富に含む食材>
玄米(未精製穀類)・豆類・バナナ・赤身魚・ヒレ肉
【生理中】おすすめの栄養素と食材
生理中は貧血やイライラなど、体も心も不安定になりやすいとき。特に精神面はホルモンバランスが大きく影響するので、しっかりと自分自身を体の内側からケアしてあげる必要があります。
貧血予防やイライラの解消に効果的な栄養・食材を意識して摂ってくださいね。
①鉄
血液の材料ともなる鉄分は、生理中に不足しやすくなります。鉄が不足すると、全身に巡る血液の量が足りなくなり、酸素不足による立ちくらみや貧血を招くことも。鉄分を豊富に含む食事や、サプリメントで補うようにしましょう。
<鉄分を豊富に含む食材>
レンズ豆・ほうれん草・大豆・赤身肉・ケール・海藻類
②マグネシウム
マグネシウムはミネラルの一つで、神経系に作用するので精神安定効果が。ただし 現代の食事(加工食品、インスタント食)では、マグネシウムが不足しやすくなっています。
<マグネシウムを豊富に含む食材>
アーモンド(ナッツ類)・玄米などの未精製穀類・海藻・魚介類
日頃から自分の体のリズムや食事に目を向けて
女性の体には月ごとのみならず一生を通してさまざまな変化が訪れます。
そのほとんどに女性ホルモンが関わっており、規則正しいホルモン分泌や体の変化のコントロールには日常の食生活が大切です。