年収が高い人ほど当初予定より部屋数を増やしている
コロナ禍で、在宅時間が長くなったこともあって、ワークスペースや趣味の空間など、より広い住まい、部屋数の多い住まいを求める傾向が強まったともいわれています。
その点については、全体としては「当初予定よりも、部屋数を増やした」とする人が13.1%で、「当初予定よりも、部屋数を減らした」は1.4%にとどまっています。「特に影響はなかった」が85.5%に達しているものの、部屋数の希望から変化があったとする人のなかでは、部屋数を増やしたとする人のほうが圧倒的に多くなっています。
当然のことかもしれませんが、世帯年収別にみると、年収の高い人ほど部屋数を増やした人の割合が高くなっています。年収400万円未満では5.3%が、400~800万円未満では9.7%に、800~1,200万円未満では13.6%に、1,200万円~1,600万円未満では16.7%、そして1,600~2,000万円未満では23.3%に増えています。図表5にある通りです。
出典:一般社団法人不動産流通経営協会「不動産流通業に関する消費者動向調査(2021年度)」
ニューノーマル時代の住まい選びの基軸
2021年11月末段階では日本国内の新型コロナウイルス感染症の感染者数は急減して、落ち着いた状態ですが、欧米などではむしろ増加しており、この先、いつ以前の生活を取り戻せるのか、簡単には見通せない状況です。
また、今回の新型コロナウイルス感染症を終息させることができたとして、いつ、別の感染症に襲われるかわかりません。ニューノーマルの生活は今後の私たちの生活の基本になるのかもしれません。
その意味では、今回のコロナ禍によって生じた住宅選びに関する変化は、今後の基軸になる可能性があります。新たな時代の住まい選びにおいて念頭に置いておきたいところです。