3. 心のゆとりや、生活の温かみを得られた。山口一郎さんの「ドローイング絵画」
最後に紹介してくださったのは、山口一郎さんの個展でこれだ!と決めた、チーターがあしらわれたドローイング絵画。縦112cm×横80cmと、お部屋のなかに飾るには、比較的大きな絵ですね。
どんなきっかけで、絵を飾ろうと思われたんでしょう?
山口一郎さんのドローイング絵画/約50000円~60000円
「私自身が美大に通っていたこともあり、絵を見たり描いたりすることが好きでした。美術館も大好物!そんななかカフェに飾ってあった山口一郎さんの作品に一目惚れして、情報を収集しはじめたんです。
部屋に飾る大きめの絵を探していたこともあり、何度か個展に通い『コレ!』と決めたこの作品を購入。自分が動物占いで“チーター”ということもあり、かなりたくさんの生き物の中からチーターを選びました(笑)」
現在は和室にある棚の上に飾られていました。
絵を買うって、なんだか大人な行為だよなぁとずっと思っていました……。そんな方って多いと思うんです。
acoさんにとって、「絵を飾る」ってどんな風に暮らしを彩ってくれましたか?
「誤解を恐れずに言うならば、芸術作品というものは、生活になくても生きていけるものなのかもしれないですね。
では何の為にあるか?きっと人の心を豊かにする為である、と私は思うんです。生まれて初めて自分が誰かの“表現”に対して、決して安くはない対価を払ったのが、この作品でした。
でもそんな対価を払った気持ちはあっという間に消化され、それを上回る心のゆとりや、生活の温かみを得ることができた気がします。
“絵を愉む”という余裕や余韻が、今の生活を楽しめているんだという一つの指標となりました。そしてこの絵を和室に置くことで、野暮ったい和室のイメージが払拭され、インテリアにおける“自分らしさ“という表現方法を見出だせたような気がしているんです。
ほんと、いろんな意味で生活に幅を持たせてくれたモノだな、と感じています」
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たくさんの想いを聞かせてもらった、acoさんの大切な3つのアイテム。
心から「必要だ」「好きだ」と思えるモノとの出会いって、そう多くはないかと思います。そんな魂を揺さぶるような、一つ一つのアイテムとの出会いを積み重ねていった先に、いまのacoさんの暮らし、生き方があるんだろうなぁ、なんてことをふと思ったのでした。
acoさん
屋外広告のデザイナーを経て、雑誌の編集に携わる。その後音楽の世界へ転職し、身を置くこと20年。現在は今までやってきた自分のノウハウを活かし、イベントを企画しつつミュージシャンなどの取材やプロモーションツールの作成、グッズのデザイン等を手がけるなどの何でも屋。
Instagram:@acosmix
text : ASAKO SAKURAI
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出典: goodroom journal