学び方にはいろんな種類があるものの、いちばん手軽にスタートできるのは読書。最も身近なはずなのに、どうも苦手意識を持ちがちなお金や経済を、読書を通じて学ぼう。様々な視点から気づきを与えてくれる3冊をご紹介。
基本のキから学べる本をやっと見つけた!
『経済ってなんだ?世界一たのしい経済の教科書』
山本御稔著 SBクリエイティブ
文系の分野は大好きで積極的に学べるのですが、経済は苦手。話題になったときは適当にごまかしています(笑)。この本はNoritakeさんの表紙に惹かれてページをめくったら……。本当にわかりやすい! 「1ドルは1円と同じ価値じゃない」って、そんなところから教えてくれる感動。これならついていける、と確信しました。「小学3年生にもわかるように」と帯文のキャッチに書かれていたのですが、そのとおりかもと感じました。(花田菜々子さん)
ポケットティッシュが配られていた時代
『サラ金の歴史 消費者金融と日本社会』
小島庸平著 中公新書
その昔、繁華街を歩いていると、ポケットティッシュをいくつももらえる時代がありましたが、あの消費者金融のティッシュって、「女性顧客の取り込みにあった」そう。お金を貸す人たちは、時代の流れによって、貸し付けようとする相手を変えるもの。高度経済成長期にサラ金が一気に増えたのは、妻にバレないようにお金を借りて、家の中での「男らしさ」を保とうとした側面もあったとか。お金って、プライドの問題らしいんです。(武田砂鉄さん)
これからのお金や経済と、人間らしく生きるとは?
『経営者の孤独。』
土門蘭著 ポプラ社
小説、短歌、インタビューなど多ジャンルで活躍されている土門さんと、10人の経営者の対談集。お金とは何か。経済とは何か。その確かな答えは、誰にとっても明らかではないでしょう。この本は、自ら経済を実践してお金を生み出している人たちの言葉の中から、これからのお金や経済のあり方を垣間見ることができます。それは現状の経済のなかで、豊かに人間らしく生きていくための試行錯誤なのかもしれないと感じました。(森岡督行さん)
撮影/撮影/kimyongduck 取材・原文/石井絵里 ※BAILA2022年2月号掲載