今週のふたご座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
バトンの受け渡し
今週のふたご座は、「弟子」という言葉の重みを思い出していくような星回り。
人間が持ちうる「信仰」というものは、ときに特定の宗教の教義を超えた強靭さを備えるにいたることがあります。特定の宗派に属するのではなく、みずから霊性と響きあう地平を生きることを選ぶことができたとき、そこに結果的に篤い信仰の痕跡ができている。
同様に「弟子」というのも、もともとは結果的にそうであったことを知らされて、初めて名乗ることができるものでした。師がそのまた師から受け継いできた霊的系譜と、わかちがたく結びついたものであるということを師に認められることで、人は「弟子」たり得たのです。
今週のあなたもまた、自分という存在が連綿と続いてきた縁のつながりの結果に過ぎないというところから、改めてテクスト(生)を紡いでいくべし。
今週のかに座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
オー・マイ・ゴッド
今週のかに座は、みずからの哀れさや滑稽さを開示していこうとするような星回り。
「尻餅をついて掴みし春の草」の作者・安積素顔は、中途失明でありながら、それをかえって糧として俳句に励んだ人物。尻餅(しりもち)をついて草をつかんだというだけのことなのですが、動作や表情、光景を想像するだに、しみじみと哀れとユーモアの入り混じったほほえみの情が自然と湧いてくるはずです。
そこには作者特有のさびしい陰のようなものが隠し味となってきいており、目で笑えなくなった盲人が口元につねに微笑を浮かべているさまも重なって、ほかのどの季節でもなく、春のあわれというものを掲句が象徴しているようにさえ感じます。
今週のあなたもまた、自分の人生や道行きにつくづくついて回る悲しみを、できるだけ柔らかく受け止めていくことがテーマとなっていくでしょう。