「菌コスメ」っていま話題だけど...
最近話題の「菌コスメ」。菌コスメと呼ばれる化粧品は、一般的に、肌の常在菌である「美肌菌」を育てて美肌に導くという効果が期待できます。
一方で、「じゃあ美肌菌ってなに?」「具体的にどんな効果があるの?」などわからないことも多いかもしれません。そこで今回、美肌菌や菌コスメについて、ロカリ編集部が化粧品製造のプロにインタビューをしました。
お話を伺ったのは...サティス製薬 研究部 齋藤恵梨香さん
化粧品(コスメ)の製品企画から製造・販売までを一貫して行う株式会社サティス製薬。研究部の齋藤さんに美肌菌や菌コスメについて丁寧に教えていただきました。
知っておきたい!「美肌菌」の基礎知識
そもそも「美肌菌」とは?
ーー菌コスメは一般的に「美肌菌」を育てることで肌を美しくするそうですが、美肌菌とは何なのでしょうか?
「美肌菌は特定の菌を示しているわけではなく、肌に存在する数千種類以上の菌の中でも『バリア機能』や『うるおいを与える』といった肌の環境を整えてくれる菌の総称です。人ぞれぞれ量が異なりますが、美肌菌はどの人の肌にも存在しています」
ーー美肌菌の量は人によって違うんですね。それは生まれつき異なるのですか?
「はい。それぞれの人に合った状態で菌は存在していて、その数は生まれた時から違っているんですよ」
「美肌菌」の肌への効果は...
ーー美肌菌を育てるとなぜ肌が美しくなるのでしょうか?
「まず“美肌になるために”というところなのですが、『モイスチャーバランス』が整っていることが大切です。モイスチャーバランスは肌の角層にある水分・皮脂・天然保湿因子(NMF)の3つで、美肌菌はこれらのバランスを整えることに関係しています」
ーーその『モイスチャーバランス』と美肌菌はどのように関係しているのですか?
「美肌菌は、肌にある汗や皮脂をエサとして食べて『グリセリンと脂肪酸を作り出す働き』と、肌状態を弱酸性にしてくれて『バリア機能を保つ働き』があります。これらの2つの働きが、モイスチャーバランスを整えるサポートをします」
肌が綺麗な人は美肌菌が多い!?
ーー肌が綺麗な人は、美肌菌の量が多いと聞いたことがあります。それは本当ですか?
「美肌菌の量が多い肌というのは、水分量が高くて赤みが少ないということが研究でもわかっています。なので、美肌菌が多い肌は綺麗といえます」
ーーつまり、綺麗な肌というのは水分量が多くて赤みがないということなんですね。
「綺麗な肌というのは肌状態が整っているので、光の反射が多くなって綺麗に見えるんです。肌状態が整うには2つのポイントがあり、1つは肌の水分量。肌表面の乾燥による凹凸をなくして、かつ肌内部にも光が入る状態にすること。もう1つは色むらやくすみがないこと。この2つが、光の反射で肌を綺麗に見せるために重要です」
「美肌菌」を育てるためにできること!
ーー美肌菌を育てるために、日々のスキンケアでできることはありますか?
「肌が乾燥すると美肌菌が育ちにくいので保湿ケアを十分に。また、過剰な洗顔は美肌菌を洗い流してしまうため要注意です。基本的には朝晩の2回で大丈夫で、ゴシゴシ洗うのは避けてください。紫外線ケアも忘れずに」
ーー食べ物や生活習慣でも美肌菌を育てることができますか?
「はい、できます。先ほどからお伝えしている『モイスチャーバランス』を保つためには、食事・運動・睡眠が大切です」
ーーまさに、健康的な生活が大切なんですね。
「食事の面では、例えば偏った食事が原因で便秘になってしまうと、腸内環境が乱れて悪玉菌が増えたり活性酸素が活発になったり、皮脂の過剰な分泌につながってしまいます。食事はバランスよく、運動や睡眠をしっかりとることで、心も体も健康になり、美肌菌のエサになる汗や適切な皮脂を分泌する体になっていくのですよ」