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「褒める子育て」って本当にいいの?子どもを上手に褒める“3つのキーワード”

臨床心理士・公認心理師のyukoです。数年前から、「褒め育て」という言葉をよく耳にするようになり、時代とともに、「叱って正す子育て」から「褒めて伸ばす子育て」が推奨されるようになってきたと感じます。一方で、子育てをされている方からは、「褒められて嬉しかった経験がないから褒め方がわからない」、「褒めすぎは危険という記事を見たんだけど‥」という声もよくお聞きします。褒めることの何がいいのか、どんな褒め方に意味があるのかを考えていきます。

子どもを褒めることの意味とは?

上手な褒め方には、「安心」「励まし」「承認」の3つがキーワードになります。

「安心」を支える褒め

自分がしたことについて褒められると、「自分が取った行動やその結果は、誰かが喜ぶものだったんだ!」と保障される安心感が生まれます。叱られてばかりいると、何をしたらダメなのかを知ることはできても、何をしたらよいのかが、わからなくなってしまいます。

靴を上手に履けたとき、友だちに順番を譲ってあげたときなど、試行錯誤して頑張ったことや自分の判断で行動したことについて褒められると、「こうしたらいいんだ!」と自信がつくようになります。

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「励まし」の中での褒め

失敗したり心細くなって戻ってきたときなどには、「よく頑張ったね」という励ましの褒めが必要です。
小さな子どもが転び、お母さんのもとに戻ってきて泣いたとき、「一人でそこまで歩けたんだね、よくお母さんのもとまで戻ってこられたね、もう大丈夫だよ」という気持ちで抱っこしてあげると、子どもはまた外に行ってみようと思うものです。

成長すると求めるものが変わってきますが、「よく挑戦したね、頑張ったね、ひとまずゆっくり休もうね」という基本的な声かけは、何歳の子どもにとっても必要です。
温かく受け止められると、また頑張るためのエネルギーが充電できます。

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「承認」するための褒め

「褒める」というと、「評価する、される」という印象にもなりがちですが、よい褒め方には、「承認する」視点が鍵になってきます。
「お手伝いできていい子ね」というと、「いい子」という評価をもらえたという印象になると思います。一方、「お手伝いしてくれて助かったよ。ありがとう」と伝えると、対等な立場から認められたという印象に変わります。

認める声かけのメリットは、「評価」ではなく、「甲斐(=効果や満足感)」を得られたと思えることです。
「やりがい」や「働きがい」を感じられると、「相手が喜ぶのはどんなことだろう」「お互いのために何ができるかな」と考えて行動に移せるようになります。

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子どもを褒めるときのコツ

褒めることを探す

「そもそも褒めることがない」と仰る方は多いです。毎日一緒に過ごしていると、できていることや、成長したことに目を向けることは難しいものです。

褒めることが見つからないという方は、家計簿やスマホのメモに一言日記をつけるのがおすすめです。困ったことや愚痴を書く日もあるかもしれませんが、それでも大丈夫です。後日振り返った時に、「こんなことで怒ってたときもあったな」と気づけるからです。怒る内容が変わったことも、成長の中での変化になります。

「朝は自分で起きてきた」「2桁+2桁の足し算が上手くいかないみたい」など、小さな変化を追うことが、数日後の褒めポイント発見に繋がります。

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褒めポイントを具体的に伝える

「やればできるじゃん」ではなく、「順番守れたから楽しく遊べたね」「昨日言われたこと思い出してお片付けできたね」など、内容を具体的にフィードバックすることも大切です。あえて具体的に伝えることで、「自分のどんな行動がよかったのか」を認識できるようになります。

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頑張った過程を褒める

取れた点数ではなく毎日机に向かってきたことを褒める、苦手だった単元に取り組んだことを褒める、練習を一生懸命したことを褒めるなどの関わりも大切です。

点数や、赤ペンでチェックされたところに目が行くのは当然ですが、苦手の克服や頑張りの成果は、丸がついているところにあります。「どれだけできたか」ではなく「何ができたか、できるようになったか」という質を評価することも重要です。

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褒め言葉はやがて自分に向く

褒められると、照れや気恥ずかしさから、調子にのってはしゃいだり、生意気になる瞬間もあるかもしれません。
ですが、長い目で見ると、褒められた経験が多い子は、やがて自分で自分の褒めポイントを見つけられるようになり、他者からの褒めがなくても頑張れるようになります。

最初はぎこちないやり取りや冗談のようになったとしても、少しずつ褒めや労いのコミュニケーションを増やしてみてください。

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