今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
永遠の原始人たれ
今週のさそり座は、古き良き時代の残り火を思い出していこうとするような星回り。
『余花に逢ふ再び逢ひし人のごと』(高浜虚子)という句のごとし。
たとえ春にたっぷりと桜を堪能していたとしても、思いがけず出会う「余花」への感慨は格別なものがあります。日本ではもともと花や自然や動物たちと非常に近しい関係を築いてきた訳ですが、掲句もまたそうしたかつてあった共生文化のぶり返しの一例なのだと言えるでしょう。
今週のあなたもまた、そうした一風変わった結びつきに自然と開かれていきやすいでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
悲という花を添える
今週のいて座は、意志にまつわる大いなる矛盾を受け入れていこうとするような星回り。
ギリシャ悲劇における意志の扱いのごとし。
ギリシャ学者のヴェルナンによると、悲劇における登場人物には加害者である側面と被害者である側面が混ざり合っているけれど、それらは決して混同されることなくその両方の側面があるとのこと。運命の強制力と人間の自由意志の力の両方を肯定していくところこそが、ギリシャ悲劇の不思議さであり、魅力なのだと考えたのです。
今週のあなたもまた、加害者と被害者の両面から捉えていく見方をみずからに取り入れてみるといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ツッコまれてナンボです
今週のやぎ座は、思わず「なんだそりゃ!」とツッコミを入れたくなる事態の最中に入っていくような星回り。
『スプーン曲げコインを消して休暇果つ』(中山奈々)という句のごとし。
わけわかんない出来事を、そのまま詠んだ一句。魅力的な文脈をわずか17文字で表現してしまったところに、作者の本当の恐ろしさがあるわけです。なんだかんだと人を巻き込み、話題の中心になってしまう人というのは、大抵こういう「わけわかんない」ところがあるのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、いつの間にかそうした「わけのわかんなさ」を宿して周囲を振り回してしまいかねないでしょう。