「緑茶がダイエットに良い」と聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?この記事では、実際に緑茶にダイエット効果があるのか、どのように取り入れたら良いのかを解説します。緑茶をダイエットに活かしたい方、飲む習慣のある方は、参考にしてみてくださいね。
緑茶を飲むだけでやるわけではない
この記事では、ダイエットに活かせる緑茶の効能や飲み方をお伝えしますが、緑茶を飲むだけでやせるわけではありません。
ダイエットの基本は、食事から摂るエネルギーよりも、体を動かして消費するエネルギーを増やし、減量を目指すことです。そのため、食生活の見直しや、意識して体を動かすようにするのが大切です。また、食事の代わりに緑茶だけを飲むような極端な制限は、健康を損なうおそれがあるので避けてくださいね。
それでは、緑茶のダイエットに役立つ作用をみていきましょう。(※1)
緑茶に期待できるダイエット効果3つ
1. コレステロール値の低下
緑茶に含まれるカテキンには、食事中のコレステロールの吸収を抑えるはたらきがあります。また、コレステロールの排出も促すため、血中コレステロールの低下につながりますよ。
血中コレステロールが高い人を対象にした実験で、通常の緑茶より3倍ほどカテキンを含む飲料を一日2回飲み続けたところ、約2か月後から血中コレステロールが低下していくとの報告が。
このように、カテキンには悪玉とされるLDLコレステロールを減らす作用が期待できますよ。(※2,3)
2. 血糖値の上昇を抑える
緑茶に含まれるカテキンには、食後血糖値の上昇を抑えるはたらきがあります。
ごはんやパンなどの糖質を多く含むものを食べると、血糖値が上昇し、上がった血糖値を下げるために、インスリンというホルモンが分泌されます。インスリンには、血糖値を下げるほか、糖質を脂肪としてため込む作用があるんです。
血糖値が急激に上がるほど、インスリンが過剰に分泌され脂肪の蓄積を促します。緑茶を飲むと血糖値の上昇がゆるやかになるため、食前に取り入れるのがおすすめです。(※2,4)
3. 脂質代謝を高める
緑茶に含まれるカテキンを一定量摂り続けることで、肝臓での脂質代謝を促し、消費エネルギーが上がるといわれています。また、食後の消化吸収による消費エネルギーの上昇も期待できるんです。
なお、動物実験においてカテキンを含むエサを摂取すると、脂質の吸収が抑えられるとともに、排出を促す作用が確認されています。それにより血中の中性脂肪の上昇を抑えられることがわかっていますよ。(※2,5)
ダイエット効果以外も!緑茶の栄養と効能
リラックス作用をもたらす「テアニン」
緑茶特有の成分で、アミノ酸の一種のテアニンには、脳をリラックスさせる作用があります。ヒト対象試験において、テアニンを摂取するとα波の増加が確認されています。α波は、リラックス状態をあらわす脳波です。
また、テアニンには疲労回復感が高めたり、起床時の眠気を緩和したりする作用もあります。(※6,7)
作業効率を上げる「カフェイン」
緑茶に含まれるカフェインには、集中力を高める作用があります。カフェインは脳を覚醒させることで知られていますが、集中力や注意力を向上させるはたらきもありますよ。
実際に、カフェイン摂取後に認知機能テストをおこなうと、誤りが減り作業効率が上がることが報告されています。集中したいときに、緑茶を取り入れてみてはいかがでしょうか。(※8)
抗酸化作用のある「ビタミンC」
緑茶には、活性酸素のはたらきを抑えるビタミンCが含まれています。活性酸素は加齢やストレスによって増加すると、無毒化が追いつかずに細胞を傷つけ、老化を引き起こす原因に。
ビタミンCは体内で作ることができないので、毎日摂取する必要があります。また、皮膚や粘膜の健康を保つはたらきもありますよ。(※9,10)
緑茶は一日に何杯飲んでいい?
緑茶に含まれるカフェインは、適量であれば眠気覚ましや集中力の向上に役立ちますが、摂り過ぎるとめまいや不眠、吐き気などをおぼえるおそれが。カフェインの感受性は個人差が大きいとして、日本では摂取量の上限が決められていません。
一方、世界の各機関では、カフェイン摂取の目安量が設定されています。欧州食品安全機関(EFSA)やカナダ保健省では、健康な成人で一日あたり400mg以下であれば、健康に悪影響を与えないとしています。
緑茶だけに換算すると、一般的な湯呑(150ml)で一日13杯ほどなら問題ないということになります。なお、緑茶のなかでも玉露はカフェイン量が多く、一日あたり1杯までが目安です。カフェインは緑茶以外にも含まれているので、コーヒーや紅茶をほかにも飲む場合は飲み過ぎないように調整してくださいね。(※8,11,12)