高橋是清邸
日本の政治を語るうえで欠かせない人物、高橋是清の私邸(筆者撮影)
書斎や寝室がある2階廊下のガラス窓が見事(筆者撮影)
港区赤坂にあった高橋是清の住まいの主屋部分を移築。併せて高橋是清邸庭園の一部も復元しています。二・二六事件の現場でもあり、歴史好きな人であれば感じるところがあるのではないでしょうか。当時は高価だったという格子のガラス窓が見事ですね。歪みやゆらぎのあるガラスがレトロで、当時を偲ばせます。
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子宝湯
唐破風の下には船に乗った七福神の彫刻が施されるなど、職人技が光る子宝湯(筆者撮影)
昭和初期、足立区千住元町にあった銭湯です。唐破風(からはふ)の屋根が「いかにも銭湯」という印象ですね。中も「古き良き銭湯」そのもので、富士山のペンキ絵と源平合戦を描いたタイル絵、湯気抜きの窓が印象的です。
武居三省堂(文具店)
看板建築とともに屋根の形も印象的な武居三省堂(筆者撮影)
明治初期、千代田区で創業した文具店です。関東大震災の復興時に流行した建築様式「看板建築」の建物で、前面がタイル貼りになっています。中には桐箱の引き出しがぎっしりと詰まった壁面があり「千と千尋の神隠し」のワンシーンを彷彿とさせます。
万世橋交番
移築の際には、トレーラーでそっくりそのまま運ばれたそう(筆者撮影)
万世橋のたもとに存在した当時の姿を知っているため、個人的に思い入れがあるのがこの「万世橋交番」。旧万世橋駅のレンガ壁とマッチする素敵な建物だと思っていたのに、ふと気づいたら跡形もなくなっていてびっくり。「とうとう取り壊されてしまったのか」と残念に思っていたところ、実はこちらに移設されていたことを後になって知り、嬉しくなったのでした。
都電7500形
停留所名などは、渋谷~新橋間を走っていた当時の6系統を元に再現しています(筆者撮影)
園内には建物以外の展示物もあり、なかでも注目は、1962年に製造された都電7500形。現在は荒川線が残るのみとなった都電の全盛期に走っていた車輌で、中に入って見学することができます。
江戸東京たてもの園を訪れたのは久しぶりでしたが、近代建築をはじめとする建物の数々にワクワクするとともに、タイムスリップ気分を味わえました。今回紹介した以外にも、園内にはたくさんの歴史的建造物があり、何時間いても飽きることがありません。「近所に住んでいたら、年会費1,500円で入園料無料などの特典がある友の会の会員になるのに」と思わずにいられませんでした。
なお、江戸東京たてもの園では2022年8月6日(土)と7日(日)の2日間、開園時間を20:30まで延長し、夜間特別開園「下町夕涼み」を開催します。建物のライトアップや復元建造物の商店が開店、伝統工芸の実演・販売、キッチンカーや駄菓子屋の出店のほか、ちびっ子縁日など、普段は見ることのできない、夏の夕べのたてもの園を楽しむことができます。この機会に、足を運んでみてはいかがでしょうか。
江戸東京たてもの園
開園時間:4月~9月:9:30~17:30、10月~3月:9:30~16:30(入園は閉園30分前まで)
休園日:毎週月曜(祝・振替休日にあたるときは翌日)、年末年始
観覧料:一般400円、65歳以上200円、大学生(専修・各種含む)320円、中学生(都外)・高校生200円、小学生・中学生(都内在学または在住)・未就学児童無料
交通アクセス:JR中央線武蔵小金井駅、JR中央線東小金井駅、西武新宿線花小金井駅よりバス
公式サイト:「江戸東京たてもの園」