今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
鋭く深く繰り返し…
今週のさそり座は、「人生のメロディー」を思わず口ずさんでしまうような星回り。
『水着脱ぐにも音楽の要る若者達』(横山白虹)という句のごとし。「水着脱ぐ」という動作について特別意識することも、日常どころか人生において初めてだという人も少なくないだろう。それほど無意識的な動作でさえ、「音楽が要る」のが「若者達」なのだと作者はいう。
掲句の主体を、作者のようなかつては若者であったはずのおっさんに置き換えるならば、「ひとりでに歌の流れる便所かな」といったところだろうか。
あなたもまた、改めて自身の身体や生活に流れている音楽に耳を澄ませたり、必要に応じて新たな音楽をインストールしてみたりするといいだろう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
狂気と風狂のはざまで
今週のいて座は、決断の奴隷になることをみずから中止できるくらいの勇気をもつこと。
かつてキルケゴールという哲学者が「決断の瞬間とは一つの狂気である」と書いたように、たしかに良くも悪くも、なにかを決断するという行為は人を盲目にするところがあります。
確かに生きることの苦しさが増すほど、私たちはみずから奴隷になりたがる傾向にあり、「決断」という言葉に漂う、何か英雄的な響きとは裏腹に、実のところそれはわたしたちに「心地よい奴隷状態」をもたらしてくれる、物事を深く考えずにすむための習慣であり、発明品なのだとも言えるでしょう。
あなたにとって、今週は戸惑ったり悩んだりすることで、いつものコースをはずれていく自由をみずからに与えていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
まっすぐに突き進んでいくために
今週のやぎ座は、「こうでしかあれない」という自分の生き様を、みずから肯定していこうとするような星回り。
『日を追わぬ大向日葵となりにけり』(竹下しづの女)という句のごとし。一時は俳壇の中心で脚光を浴びる存在だった作者ですが、俳句の基本的な約束事への懐疑を深め、俳壇や所属していた結社からも離れて、もとの居場所を批判したりして、あまり相手にされなくなってしまった時期があったといいます。
それでも、晩年には自身で機関誌を創刊したり、学生句会を指導して熱心に後進を育て、そこから有名な俳人が幾人も輩出されていきましたから、「大向日葵」というのもあながちこけおどしではなかった訳です。
あなたもまた、しづの女くらいの大胆さで開き直っていきたいところです。