今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
沈黙の花
今週のさそり座は、目に見えない花が静かに開いていくような星回り。
『みづうみの芯の動かぬ良夜かな』(岡田一実)という句のごとし。静まりかえっている湖を前にした作者の胸の内を想像してみれば、確かにそこに何か沈黙に徹する深い叡智のようなものがあるように感じられてくるのも不思議ではないはず。
そして、深い沈黙やぐっと息を溜めこむ瞬間をもたない存在者というのは、湖であれ人間であれ、すっかり「芯」を失っている状態にあるのだとも言えます。
あなたもまた、沈黙や動きの停止をたっぷりと取り入れていくことで、本来の調子を取り戻していくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
揺らがずに何かを作り続けること
今週のいて座は、インディペンデントを増やすための仕組みづくりに与していこうとするような星回り。
大人になって改めて『ソクラテスの弁明』を読むと痛感するんですが、ソクラテスってのはめちゃくちゃ“ええかっこしい”なんですよね。別に死ななくてもすんだところを、挑発的なことばかり言ってみずから死ににいった老人なんです。
弟子であったプラトンが偉かったのは、ソクラテスが殺されないような世界を作らなきゃってことで、そこから戦略を変えて頑張り続けたこと。
あなたもまた、かっこつける美学ではなく、かっこ悪くても地味にやるってことをどこまで意識的に選んでいけるかということが問われていくでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
平凡さを噛みしめる
今週のやぎ座は、さりげない偶然や余白が胸の内に吹き込んでくるような星回り。
『鰯雲ある日の海豚調教師』(四條五郎)という句のごとし。
ふと見せるイルカのあどけない振る舞いに、仕事の範囲外で現われた飼育員の何気ない愛情。そんな余人を交えぬ瞬間にたまたま居合わせた作者は、きっと微笑を浮かべていっとき佇んだあと、静かに立ち去っていったに違いありません。
あなたもまた、なんの裏も意図もないところで交わされるちょっとしたコミュニケーションに心救われていくことでしょう。