40代になってからデリケートゾーンのにおいが気になる・・・・・・おりもののせい?とおりものシートを多用する人もいますが、答えはNO。女性ホルモンの減少による乾燥が原因かもしれません。今回は、『性のトリセツ』(富永喜代 著、KADOKAWA社)から、40代からのおりものシート使用法について学んでみましょう。
デリケートゾーンはおりもので湿っている状態が「正常」
女性のデリケートゾーンの悩みは、生理中だけでなくおりものの悩みもあります。おりものは生理周期と密接に関係しており、色や量、においも個人差があります。おりものの役割は主に「腟の自浄作用」。汚れを排出したり、湿った状態を維持して粘膜を守ったり、バイ菌の侵入を防いだりする役割があります。
おりものシートは、おりもののベタつきやニオイなどの不快感を軽減してくれるだけでなく、夏はムレを吸湿してさらりと快適に、冬は保温効果なども期待できる優れもの。健康な場合、おりものは少し酸っぱいにおいがするので、多少におっても気にする必要はありません。
一方で、40代になると女性ホルモンの減少とともにおりものの量も減り、腟の乾燥の原因になるためおりものシートの使用時間に注意が必要です。おりものではなく、においの対処としてシートを使っている場合には乾燥がさらに進み、においも悪化する可能性があるためです。
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40代以降、デリケートゾーンに乾燥はNG!潤いを補完して
吸湿性が高いおりものシートは、ただでさえ潤いが不足している更年期以降の女性にとっては、諸刃の剣と同じです。においは一時的に軽減されるかもしれませんが、おりものシートによって乾燥が進み、かぶれ、ヒリヒリ感、かゆみの原因になることもあるからです。
なるべくおりものシートは短時間の装着を目指しましょう。外出時におりものシートを使用していても、帰宅してからはすぐにショーツから外すのがおすすめです。また、ショーツを化繊から綿100%に着替えるのも良いでしょう。
腟は湿っている状態が正常です。デリケートゾーンのにおいは、更年期による女性ホルモン(エストロゲン)分泌の低下が原因と考えられます。腟専用の保湿ジェルクリームで腟内環境を正常化しにおいを元から絶つ方法もあるので、においが気になる方は乾燥を促すおりものシートより、潤いを保つ方法へシフトしてみてはいかがでしょうか。
おりものシートは短時間使用、デリケートゾーンを湿った状態に
40代以降の更年期は、おりものの量にも変化がありデリケートゾーンも乾燥気味になります。おりものシートは短時間使用にとどめ、なるべく湿った状態を維持するようにしましょう。
『女医が教える性のトリセツ』(富永喜代 著、KADOKAWA社)
今回参考にした『女医が教える性のトリセツ』(富永喜代 著、KADOKAWA社)では、女性のデリケートゾーンの悩みについての解決方法がたくさん掲載されています。誰にも相談できないデリケートゾーンのにおいや痛みなどについて、セルフケアのヒントを学べる書籍です。
『女医が教える性のトリセツ』(富永喜代 著、KADOKAWA社)
教えてくれたのは…富永喜代先生
富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会指導医。1993年より聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務、2万人超の臨床麻酔実績を持つ。2008年愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業。のべ23万5000人の痛みを治療し、性交痛外来では5000人のセックスの悩みをオンライン診断する。著書に『女医が教える性のトリセツ』(KADOKAWA、2022年)など。
参考:ユニ・チャーム.おりものってなに?おりものでわかるカラダの変化(2022年9月20日閲覧)