素朴な香りと味わいで私たちを癒してくれる味噌汁は、日本人の食卓に欠かせない一品です。どんな具材とも相性がよく、おいしく食べられるところも味噌汁の魅力のひとつですね。味噌汁は食材との組み合わせ次第で、さまざまな健康効果が期待できる料理に変わります。今回は腸内環境を整えてくれる味噌汁の具材を紹介するので、お腹の調子が気になる人はぜひ参考にしてください。
腸内環境の改善におすすめの具材は【ごぼうと玉ねぎ】
ごぼうと玉ねぎの健康効果
「便秘気味のときには食物繊維を摂るとよい」という話は、よく耳にしますよね。便秘を引き起こす原因のひとつに、腸内環境の乱れがあります。人間の腸内には約1000種類、100兆個もの細菌が生息しているといわれています。これらの細菌はいわゆる善玉菌・悪玉菌・日和見菌にわかれて互いにバランスをとり、腸内環境を維持しているのです。
しかし不規則な生活や偏った食事、ストレスなどの理由で悪玉菌が増えると、腸内細菌のバランスが崩れてしまいます。腸の動きが鈍ってスムーズに排便できなくなり、便秘になってしまうのです。
食物繊維は、腸内環境の改善効果が期待できる栄養素です。食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類があります。水溶性食物繊維は腸内で水分を吸収するとドロドロになり、便をやわらかくする作用があります。一方、不溶性食物繊維は腸内で水分を含んで膨らみ、腸を刺激することで排便を促すのです。
今回、味噌汁の具材におすすめするごぼうは、このふたつの食物繊維を豊富に含んでいます。
さらに、ごぼうに含まれるオリゴ糖にも注目してください。糖質の一種であるオリゴ糖は、腸内で善玉菌のエサになり、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果があります。お腹の調子を整える成分として、特定保健用食品にもオリゴ糖が使用されています。
オリゴ糖は玉ねぎにも多く含まれているので、ごぼうと玉ねぎの組み合わせは腸内環境を改善するベストコンビといえますね。
味噌で腸を元気に
発酵食品である味噌には、独特の香りや味わいを作り出すさまざまな微生物が含まれています。なかでも乳酸菌は、腸内でも善玉菌として活躍している細菌です。味噌汁を飲むと、味噌に含まれる乳酸菌を直接体に取り入れられます。
とはいえ味噌汁の熱で、乳酸菌をはじめとした微生物は死んでしまうのでは、と思う人もいるでしょう。実は死んでしまった菌も腸内で善玉菌のエサになるため、やはり味噌は腸内環境の改善に効果がある食材といえるのです。
ごぼうと玉ねぎの味噌汁の作り方
【材料】2人分
ごぼう:1/4本(40g)
玉ねぎ:1/4個(40g)
だし汁:400ml
味噌:大さじ2
【作り方】
1.ごぼうの皮を包丁の背などでこそげ落とし、2〜3mm幅の斜めスライスにする。
2.玉ねぎは皮をむいて根の部分を取り除き、繊維にそって1cm幅に切る。
3.鍋に入れただし汁を火にかけて沸かし、ごぼうと玉ねぎを加えて中火で2分ほど加熱する。
4.鍋の火を止めて、味噌を溶き入れる。
ごぼうの香りと玉ねぎの甘みに、心が落ち着く味噌汁です。あまり煮込まず、具材の食感も楽しんでくださいね。