今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
生きた証しとその基準
今週のかに座は、書かれた記録と書かれなかった記憶とをよりあわせていくような星回り。
『ふたり四人そしてひとりの葱刻む』(西村和子)という句のごとし。掲句では「ふたり」から間髪おかずに「四人」になっている一方で、「四人」から「ひとり」の間には「そして」という接続詞が入れられていることに気付きます。
事実、彼女の夫は60歳で亡くなっており、あまりゆっくり過ごせた「ふたり」の時間はなかった。その空白をあえて表すための「そして」だったのかも知れません。
あなたもまた、自分や自分と同世代の人たちなら、いずれどんな風に人生を振り返るだろうか、などどと思いを巡らせてみるといいでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
風にまみれる
今週のしし座は、現代人としての自分らしさをひとつ放棄していこうとするような星回り。
20世紀を代表する思想家シオランは、現代の哲学者は仕事机や書斎で哲学したのに対して、古代の哲学者は庭園や市場、あるいはどこかその辺をほっつき歩きながら哲学したものだと想起していました。
書斎や読書で哲学が可能なのは、電気が発明され普及していったためであり、それが「哲学する」ということをより“勤勉”にし、そこで増しに増した生産性の分だけ「霊感」からは遠ざかったのだとも言えるのではないでしょうか。
今週は、古代の哲学者たちになりきって、「霊感が水平にやってくること」、「思想の来るのを待」つことに徹してみるといいかも知れません。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
生きものとしてのゆかしさ
今週のおとめ座は、形骸化したやり取りの中身を取り戻していこうとするような星回り。
『飲めば生き飲まねば死すと寒見舞』(福田甲士雄)という句のごとし。掲句は余計な遠慮や気遣いのない、年来の友人からの寒見舞をうけての一句なのでしょう。
人間関係が希薄化した現代社会や、通り一ぺんのやり取りに終始するこの季節だからこそ、こうした味のある交流の貴重さが際立ってくるはず。
あなたもまた、ここぞという時には、いつもより一歩踏み込んだやり取りを交わしていくべし。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
こちら愛、応答せよ
今週のてんびん座は、日和見主義にならない仕方で平和志向を実践していこうとするような星回り。
聖書によれば、悪徳に陥ったとされるソドムの街を、住人もろとも破壊しようとした神の採決に戸惑った長老アブラハムは、そこに正義を見出せなかったゆえに、「主の前に立った」と伝えられています。
アブラハムは権威たる神に哀願しつつも、同時に不平を言い、疑問を投げかけ、批判をし、忍耐強く食い下がりました。つまり、自分で考えたことを賢明に語りかけたのであって、それゆえに神は「アブラハムのことを重んじた」(19章29節)のではないでしょうか。
あなたもまた、本当に必要なときはアブラハムのように黙って受け入れる以外の言動に出ていくことができるかがテーマとなっていくでしょう。