こんにちは、スーパーの青果部歴10年の青髪のテツです。突然ですが、みなさん野菜を食べてますか?栄養のバランスを考えると、できるだけ毎日数種類の野菜を食べるようにしていきたいですよね。ただ、物価高の影響で節約志向になっている方も多いのではないでしょうか。野菜には相場があるので、安いときは安いですが、高いときは高くなります。しかも、1品高くなると全体的に高くなる傾向があります。「今週98円だった野菜が、次の週には298円になっている」なんてことも珍しいことではありません。値段が3倍にもなると節約をしている方としては手が出にくくなってしまいますよね。ただ、そんな中でも1年中値段が安定している野菜がいくつかあるんです。そこで今回は「1年を通して値段が変動しにくい野菜」を紹介していきます。
工場栽培の野菜は値段が変わらない
野菜の値段が大きく変動する理由は「需要と供給のバランス」にあります。これは野菜に限った話ではなく、例えば欲しい人が100人いるのに、1個しかない商品は価値があるので値段が高くなります。逆に100個あるのに欲しい人が1人しかいない商品はどうでしょう。値段を落とし「安くなっているから買おう」という人に買ってもらうしかなくなります。
メーカーが作っている商品であれば、流通している数をコントロールできますが、野菜は天気、気温、時期などによって流通量が大きく変動します。なので野菜の相場は変わりやすいんです。
そこで注目してほしいのが「工場で作られている野菜」です。
工場で作られている野菜は温度や湿度などの生育環境を管理されて栽培されており、天気、気温、時期の影響を全く受けません。基本的に流通量が年中一定に保たれているので、値段も常に安定しています。
では工場栽培の野菜には何があるのか、その野菜の特徴や栄養とともに紹介していきます。
豆苗
豆苗とは、えんどうまめの若い芽を食べる野菜です。
工場で種子を密植し、水耕栽培したものが1年を通して出回ります。
意外かもしれませんが、豆苗の栄養価はかなり高く、同じえんどうである「さやえんどう」と比較すると抗酸化作用があり、老化予防が期待できるβカロテンは5倍以上、骨の形成を助けるビタミンKは4倍以上、風邪予防に効果的なビタミンCも増加しています。「グリーンピース」と比較すると、βカロテンは7倍以上、ビタミンKは6倍以上となります。βカロテンが豊富なので、油で炒めることで吸収率が高まります。
豆苗は薄切りの豚肉で巻いて、レンチンするだけでもおいしく頂けるので試してみてくださいね。
もやし
もやしも豆類を暗所で保温、保湿して発芽させ、育てたものです。
1年中安定した数が流通していて、値段も安価なので「野菜随一の家計の味方」といっても過言ではないでしょう。
もやしも豆苗同様に意外かもしれませんが、栄養価が高く、疲労回復効果のあるビタミンB1、粘膜を保護する効果のあるビタミンB2、骨や歯を形成するカルシウム、その他葉酸、鉄、ビタミンC、アスパラギン酸などを含んでいます。
なんとなく「もやしは栄養なさそう」と思っている方も多いと思いますが、そんなこともないので、野菜が高いときはバランスをとりつつもやしを積極的に食べても良さそうですね。
きのこ類
きのこ類には、山に収穫に行くものもありますが「椎茸」の場合、流通している物の90%以上は「菌床栽培」と言われる工場で環境を管理されて栽培されているものになります。
その他きのこも同じように工場で栽培されたものが主に流通し、お店に並んでいます。
きのこの場合は、メーカーの戦略によって「販売数が鈍る夏は安くなる」のですが、基本的にその他野菜と比較すると1年間安定した値段で販売されています。
きのこの栄養は品種によって異なりますが、ビタミンDやビタミンBなどのビタミン類や、カリウムやリンなどのミネラル類や食物繊維など豊富に栄養を含んでいるので積極的に食べたいですね。
野菜高騰時でもたくさん野菜を食べてください
お店で長年働いているのでわかるのですが、野菜が高騰すると販売数はやっぱり鈍ってしまいます。スーパーの店員としては高騰時もたくさん買ってほしいのですが、家計のことを考えると難しいですよね。
ただ、全体的に野菜が高騰しているときでも、高くなっていない野菜は絶対にあるので今回紹介した「工場栽培の野菜」を中心にチェックしてみてくださいね。