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電気代の高騰が気になる今、エアコンの買い替えで節約できる?

ライフスタイル

電気代の高騰が気になる昨今。家庭の全消費電力の25%を占めるエアコンの買い替えなら、どのくらい節約が可能なのでしょうか。2022省エネ大賞を受賞したパナソニック、2021省エネ大賞を受賞したダイキンの協力を元に筆者が解説します。

エアコンの消費電力は家庭の全消費電力の25%をしめています。となると、今の電気代高騰と4月の電気料金改定によって、エアコンの買い替えで節約できるようになるのかが気になるところですね。

そこで、2022年度に省エネ大賞「省エネルギーセンター会長賞」を受賞したパナソニック、2021年度に同賞を受賞したダイキンの協力を元に検証してみました。基本的な買い替えの考え方はこちらの記事も参考にしてみてください。

こちらの記事

この10年でどのくらい省エネ性能は上がった?

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夏の日中は家庭の消費電力の半分以上をしめるエアコン

運転時の消費電力が少なくなり、それによってエアコンにかかる電気代が安くなっているというのは、聞いたことがある人も多いでしょう。その省エネ性能についてまずは比較してみましょう。特に使用時間が長い「リビング」で使用するエアコンの売れ筋としては、「14畳タイプ」になるのだとか。代表的な10年前と現行モデルについて、両社の担当者に教えてもらいました。

「実は、エアコンはこの10年間機器としての省エネ性は高止まりです。1年間の期間消費電力量で63kWhしか変わらないので、年間としては約2000円の違いにしかなりません(2013年「Xシリーズ CS-404CXR2」と2023年「Xシリーズ CS-LX403D2」の比較)」(パナソニック福田さん)

「同様にカタログ表記の消費電力量の差は31kWhです(2013年「うるさら7 AN40PRP」と2023年「うるさらX AN403ARP」の比較)。エアコンの消費電力量は、1990年頃から2010年頃までの間に飛躍的に向上し、半分以下に削減されました。その結果、近年では消費電力量に大幅な差が生まれなくなってきています」(ダイキン重政さん)

意外なことに、ここ10年ではカタログ上の消費電力量に大きな違いはないのだとか。エアコン自体がヒートポンプなど省エネな技術を使った機器であることが理由だそう。ただ、あくまで上記に記載されている消費電力量はモデルケース。実際の使用時間、使用年数を加味して比較すれば、ご家庭によってこれ以上の節約になる場合も、そうならない場合もあります。

しかし実は、新しいエアコンには単純に「運転時の消費電力が少ない」だけではない、電気代の節約になる要因もあります。逆に言うと、古いタイプのエアコンでは消費電力の要因以外に、無駄な使い方をしてしまっていることもあるということです。

省エネに役立つ最新機能をご紹介

例えば、筆者はテレビ番組のロケなどで一般の方のご家庭に行き、エアコンのフィルターをチェックすることがあるのですが、フィルターの掃除をしていない家庭が本当に多くあります。これでは室温が設定温度に到達するまでに余計な電力を消費してしまうことに。しかし機種によっては自動でフィルター掃除機能がついているものもあり、フィルターが綺麗な状態を保ちやすくなったことで常に効率よく運転できるようになっています。

「弊社のエアコンの場合、フィルター自動お掃除『あり』『なし』で1年後のフィルターを比較すると消費電力量は最大で約25%も変わります」(パナソニック福田さん)

「弊社でも同様に『1年で約25%』をご案内しています。また、弊社では別途、3年分のホコリが溜まったエアコンを使って実測してみたのですが、約50%の消費電力量のムダが発生する結果となりました」(ダイキン重政さん)

また、室内全体を冷やしたり涼しくしたりしながら温度ムラを抑える気流や、人がいるところに
直接風を送り込むことで涼しさや暖かさを届ける気流を上手に使うことで、より節電・節約につながります。

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AIが省エネをサポート(画像提供:パナソニック)
「『エオリアAI』なら、センサーとAIが人の居場所や活動量、温冷感、日射や住宅環境など、見えないムダまで見つけて自動で夏でも冬でも省エネに」(パナソニック福田さん)

「室内の温度ムラにより足元が肌寒くなると、エアコンの設定温度を上げたくなります。しかし、暖房運転時の『垂直気流』なら、暖気が足元全体に広がる気流のため、必要以上に設定温度を上げてしまうといったムダを防げます」(ダイキン重政さん)

また人を感知しなくなったら自動で切れる機能を備えているものもあり、つけっぱなしを防ぐこともできます。

「消し忘れ防止機能は、『人検知センサー』が長時間室内に誰もいないのにエアコンが動き続けている状態を防いでムダを抑えます」(ダイキン重政さん)

「上記の『エオリアAI』は、人の不在を検知すると、運転パワーをセーブ。人が戻ってきたら、自動で元の運転に戻ります」(パナソニック福田さん)

これら最新の機能によって、消費電力以外でも結果的に電気代を節約することができるのです。

買い替えたくなる?家電メーカーイチオシの機能をご紹介

では、10年前のエアコンを買い替えた場合、さらにどのようなメリットが期待できるのでしょうか。イチオシの機能を教えてもらいました。

「2020年から搭載している『エネチャージ極上冷暖房』です。エネチャージは、捨てられていたコンプレッサーからの熱エネルギーを再利用し、暖房時の霜取り運転に有効活用する世界初の技術。夏の冷房運転にも有効活用できるようになり、従来の冷房よりも約10%も省エネな上に、温度も湿度もキープし、快適性まで向上させることができています」(パナソニック福田さん)

「『うるさらX』に搭載した『さらら除湿』がおすすめです。2021年発売のモデルでさらに進化した除湿方式『リニアハイブリッド方式』により、梅雨や春雨、秋雨の時期や、近年増加する高気密高断熱住宅といった比較的除湿しづらい環境でも、快適で高効率な除湿が可能になりました」(ダイキン重政さん)

「上記以外にも、『しっとり冷房』という、冷房による乾燥や冷えを抑えながら、通常の冷房より約15%も省エネになる機能もあります。電気代の高騰からエアコンの使用を控えてしまう方も多くいらっしゃいますが、これから夏に向けては体調を崩してしまうことも考えられます。設定温度を少し高めにするなど、我慢せずに使えるよう工夫しながら活用いただきたいです」(パナソニック福田さん)

「そんな夏に向けて、暑さに気づきにくい方がご家族にいる場合に特におすすめなのが、『室温パトロール』。室温が暑くなり過ぎた際に、自動で冷房運転を開始したり、音声でお知らせしたりできます」(ダイキン重政さん)

これからの季節にもよさそうですね。

買い替えは早めに総合的に検討しておこう

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