こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。例年よりも早いとはいえ、あっという間に梅雨の季節がやってきました。ジメジメとした気分になりますが、そのぶん梅雨の合間の晴れ間はより一層嬉しい気分になります。そんな気持ちをを詰め込んだような、まるで虹を掴んで閉じ込めたような、きらめく羊羹を見つけました。
創業記念の特別なお菓子
杵屋本店が創業したのは212年前、1811年のこと。初代である庄六さんが日本三熊野の一つで、東北の伊勢とも呼ばれる「熊野大社」の参拝客に向けて饅頭を作り販売したことがきっかけなのだそう。
創業210周年を記念して作られたのが、今回の「羊羹kaju*-カジュ-」です。この羊羹は、創業以来、杵屋本店が大切にしてきた”地産地消”と”厳選した素材”、そして、四季の移ろいをテーマに作られています。
スタイリッシュでおしゃれな箱を開けると、出てきたのは宝石のような羊羹!色鮮やかなkaju*と錦玉の透明感、双方の魅力を最大限引き出すべく、糖度の調整やkaju*のカット方法など約1年の間、試作開発が繰り返されたんだそうです。
見た目のかわいらしさを大事にするため、錦玉は透明にこだわったんだそう。きれいな見た目で、最近では品薄状態になるほどの人気商品なのだとか。
移ろいを楽しむ羊羹
羊羹、という名前がついているものの、あんこは使われておらず、お菓子の種類としては錦玉羹(きんぎょくかん:寒天を砂糖で煮詰め、固めたお菓子)と呼ばれるもの。この羊羹よりも先に発売しされた、「kaju*フルーツ琥珀糖」が錦玉羹のなかに入っています。
「kaju*フルーツ琥珀糖」は、さくらんぼ・ラフランス・ブルーベリー・いちご・メロンの5種類。琥珀糖kaju*は日が経つ毎に錦玉に馴染んでいくため、はじめはくっきりと際立ってみえる状態から、だんだんとぼかし絵のように淡くにじんだ印象に変わります。
カットすると透明度が増し、また印象が変わります!
一口サイズにフォークを入れると、錦玉羹が入っていることを実感できます。キラキラと美しく食べるのがもったいないです!思っていたよりもコリコリと硬めの食感で、これからの季節はしっかりと冷やして食べるのがおすすめ。
賞味期限は30日間と長いですが、どんどん移り変わっていく羊羹なので、その変化を楽しみながら食べ頃を伺うのも楽しいはず。まるでクリスマスのシュトーレンのような、梅雨を楽しく乗り切れるお菓子でした。