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自分のことは後回しで「がんばりすぎている人」が自覚しておきたい“しんどさのサイン”

子育て、家のこと、仕事、親の介護など、「誰かのため」に力を注ぐことが多いアラフォー女性。自分のことは後回しにしてがんばって、ベッドに横になるときにはもうぐったり……なんてことはありませんか? 「誰かのためにがんばるのはすばらしいことだけど、他人を気づかうように、自分のしんどさにも目を向けてほしい」とおっしゃるのは、精神科医・藤野智哉先生。今回は、心とからだが発する“SOSのサイン”について、藤野先生に教えていただきます。

教えてくれたのは……藤野智哉先生

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精神科医。産業医。公認心理師。
幼少期に罹患した川崎病が原因で、心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。障害とともに生きることで学んできた考え方と、精神科医としての知見をメディアやSNSで発信中。

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『「誰かのため」に生きすぎない』

「誰かのため」に生きすぎない

著者:藤野智哉
価格:1,650円(税込)
発行所:ディスカヴァー・トゥエンティワン

誰かのためにがんばりすぎていませんか?

心にすっと染み込むゆるゆるとしたメッセージがメディアやSNSで人気の精神科医・藤野智哉先生。最新刊『「誰かのため」に生きすぎない』は発売前重版となり、大きな話題となっています。そもそも、「誰かのために」生きすぎることをテーマにしたのは、なぜだったのでしょうか。

「誰かのため」に生きすぎない

藤野先生 「コロナ禍になって、子どもたちが休校になったり、家族がリモートワークになったりするなかで、自分の時間を減らしてがんばってきた人たちの受診が、とても増えていると感じます。みなさん『私、何もできていないんです』とおっしゃるけれど、よくよく聞いてみると、めちゃくちゃ誰かに“Give”しているんです。

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たとえば、自分のためだけじゃなく、家族のために働いていたり。家族のご飯をつくって送り迎えしたり、親の介護をしていたり。

『母親なんだから、そうするべきだ』『家族とは、そういうものだ』という“謎の常識”に縛られて、ついつい誰かのためにがんばりすぎてしまう。そして、自分の疲労やしんどさに気づかずに、食べられない・眠れないと限界を迎える人がとても多いんです。

でも、限界を迎える前に、じつは小さなSOSのサインがたくさん出ているんですよね。そういう自分のしんどさにも、少し目を向けてもらえたらなって思っています。」

自分なりの“しんどさのサイン”とは

“自分のしんどさ”に目を向けるために、藤野先生がおすすめしているのが、「自分のしんどさの表」を作ること。頭で考えるだけでなく、紙に書き出したり、スマホのメモ帳に入力したりするといいとおっしゃいます。

藤野先生 「“しんどさのサイン”って、非常に個人差があるんです。たとえば、

・朝なかなか起きられない
・お風呂に入るのがおっくうになる
・歯を磨くのが面倒になる
・これまではできていた掃除ができなくなった
・郵便物が溜まってきた
・仕事でミスが増えてきた

などがそうですね。頭が痛くなる、おなかが痛くなるというように、からだにサインが出る人もいます。
そういった自分の“しんどさのサイン”と、そうなったときの疲労度を、表にして書き出してみましょう。」

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藤野先生 「同時に、“やめること”もリストアップしておきます。たとえば、

・後輩の仕事を手伝う
・誘われた飲み会に行く

なんてことですね。そして、しんどさの表に書いたサインがあらわれてきたら、“やめること”を実行していくんです。例えば、このように表にまとめておくといいですよ。

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誰かのために動ける人っていい人なので、つい“Give”し続けてしまいます。余裕があるときはそれでいいけれど、自分がいっぱいいっぱいなときまで続けなくていい。
しんどさのサインややめることをあらかじめ書き出しておくと、ふとしたときに思い出したり、見返したりできて、自分のキャパシティを確認しやすくなりますよ。」

今日1日乗りきった。それだけで十分すごいこと

“しんどさのサイン”には個人差があると藤野先生。人それぞれではあるとしつつも、しんどくなると料理ができなくなる人は比較的多いとおっしゃいます。

藤野先生 「目標を設定して、手順を細かく計画して、効果的に実行する能力を『遂行機能』というのですが、料理はこの能力がめちゃくちゃ求められる作業です。

スーパーに行って、数日分の献立を考えながら、余らないように食材を買う。
帰ってきたら、冷蔵庫の余っている食材も使いながら、同時進行で2品つくる。
能力が必要な重労働だから、しんどくなって料理ができなくなる人は、とても多いんです。」

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