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子どもが“人を頼る力”を身につけるために「親ができる3つのこと」#人気精神科医に聞いた

子育て

成長するにつれて、子どもの活動範囲はどんどん広がっていきます。親がいない場面でトラブルに巻き込まれたときのことを考えて、まわりに「助けて」と言えたり、周囲の人に頼ったりできる子に育ってほしいと願う親も多いことでしょう。こうした子どもの“人を頼る力”を育むために、親ができることはあるのでしょうか? ゆるゆるとしたメッセージがメディアやSNSで人気の精神科医・藤野智哉先生に教えていただきました。

教えてくれたのは……藤野智哉先生

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精神科医。産業医。公認心理師。
幼少期に罹患した川崎病が原因で、心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。障害とともに生きることで学んできた考え方と、精神科医としての知見をメディアやSNSで発信中。

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『「誰かのため」に生きすぎない』

「誰かのため」に生きすぎない

著者:藤野智哉
価格:1,650円(税込)
発行所:ディスカヴァー・トゥエンティワン

子どもが自分でSOSを出せるようになるために

精神科医の藤野先生は、最新刊『「誰かのため」に生きすぎない』のなかで、「『甘えていいんだ』ということを知ろう。もっと『助けて』『無理!』と言っていい」というメッセージを発信しています。

「誰かのため」に生きすぎない

困ったときに「助けて!」と言える。そんな力は、自分だけでなく、わが子にも備わってほしいものですよね。では、人を頼る力を育むために、親ができることはあるのでしょうか? 藤野先生に教えていただいた3つのポイントを紹介します。

ポイント1. 親が甘える・人を頼る姿を見せる

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藤野先生 「親にも弱い部分があって、人に頼ることがあるということを、堂々と子どもに示していきましょう。誰にも頼らずにがんばっている姿だけ見せていると、『人に頼っちゃいけないんだ』とメッセージを子どもが受け取る可能性があります。がんばっている姿だけでなく、親の弱い姿、人を頼る姿も、どんどん見せていきましょう。」

ポイント2. 子どもは「もっとも身近な他人」であるととらえる

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藤野先生 「親が『○○するべき』というルールで子どもを縛ると、子どもも同じ『べき思考』にとらわれやすくなります。また、親が『べき思考』を子どもに向けていると、期待通りにならなかったときに怒りが湧く原因になってしまいます。

子どもは、親にとって“もっとも身近な他人”です。そして、他人とは、自分の思い通りにならない存在です。

わかっているつもりでも、無意識に『子どもは自分の付属物』という考えが残っているかもしれません。子どもに自分の考えを押し付けそうになったときは、『子どもは自分とは別の生き物である』ということを、改めて思い出してみましょう。」

ポイント3. 子どもから頼られたとき、軽くあしらわない

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藤野先生 「幼いころはとくに、子どもが親を頼る場面が日常的に多いと思います。子どもが頼ってきたり、相談したりしてきたときは、軽くあしらったり、馬鹿にしたりせず、まずは受け入れてほしいなって思います。

『いやいや、もっと大変なことはある』『そんなこと、大したことじゃない』と、人生の先駆者としてついつい“しんどさマウント”を取ってしまいそうになることがあるかもしれません。でも、こうした反応を続けていると、子どもは親に相談したり、頼ったりしにくくなっていきます。

自分で考えたり、行動したりしたほうがいいことでも、まずは子どもの声をいったん受け入れて、本当に困ったらなんとかしてくれるという安心感を与えた上で『まずは自分でやってみたら?』とうながせるといいですね。そして、子どもがもし選択に失敗したときは、しっかりフォローアップしましょう。」

「『この人ならなんとかしてくれる』という信頼感を親に持つことは、すごく大事なこと」と藤野先生。日頃から親との信頼関係を築くことが、周囲への信頼につながっていくのですね。

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