今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ふれあいの中でこそ培われるもの
今週のさそり座は、中間的かつ生成的なコミュニケーションを取り戻していこうとするような星回り。
コロナ禍以降、夫婦間の家事負担などが原因で離婚相談が増えているという話をよく見聞きします。大抵は共働きの家で、夫も家にいる時間が増えたにも関わらず、相変わらず妻ばかりが家事を負担しているというケースが目立つ、といった場合。
一方が過剰に受動的であるということは、もう一方が過剰に能動的であるということで、その方が楽だからということであって、これは言い換えればその中間的なコミュニケーションが成立しにくい状況になっているということなのではないでしょうか。
あなたもまた、難しい状況でこそ、互いのする/されるが反転していくような「ふれあい」をこそ大切にしていきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
純粋なる贈与
今週のいて座は、自分が何に対して「無償の精神」を発揮しているかを再確認していくような星回り。
『花火師の闇にまぎれてより潔し』(源鬼彦)という句のごとし。華々しく夜空に咲き乱れる花火。しかし、その花火を打ち上げる花火師は、危険と隣り合わせに闇の中で汗水をたらし、誰にも見向きもされず地味な労働に明け暮れる。その姿に自分自身を重ねたのでしょう。
それは精神的にも肉体的にも大変なことだったはずですが、それを支えていたのは「今の文学の世界は無償の精神がなければ、発展どころか現状維持さえもできない」という作者の思いだったといいます。
あなたもまた、自身の場合は情熱がどのような形をとっているのか改めて認識していくことになりそうです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
かんなの喩え
今週のやぎ座は、結果的に自分が年季を入れてしまっているものについて、思い当たっていくような星回り。
かつて批評家の小林秀雄と小説家の永井龍男の「芸について」という対談のなかで、大工とかんなの関係性をめぐって、今のサラリーマン社会では大工における「かんなとのつきあい」のような長いつきあいがなくなってしまったね、というようなことを言っていました(『直観を磨くもの』)。
いわく、サラリーマンの世界では、頭で計算して、計画を立てて、そのとおりやれば、それですむ。ところがクラフトマン(職人)の世界では、いくら頭で考えたり口先で何かを言っていても、かんなの方がウンと言わなければ、事ははこばない。そういうものを動かすには、やはり年季を入れていかないといけないのだ、と。
あなたもまた、自分にとっての「かんな」とは何なのだろうかと改めて胸に問うてみるといいかも知れません。