「頑張っているけどなかなか痩せない」「効率のいいダイエット方法を知りたい」という方は、基礎代謝がアップしやすい朝ダイエットがおすすめです。あんしん漢方の薬剤師、碇純子さんに、痩せ体質を叶えるためのダイエットルーティンを伺いました。
朝にダイエットが効果的な理由
ダイエットで重要視すべきなのが、基礎代謝と脂肪燃焼の関係です。夜ではなく朝のほうが効率がいいとされる理由をみていきましょう。
基礎代謝がアップしやすい
基礎代謝とは、人間が生きるうえで最低限必要なエネルギーのことです。からだのエネルギーの約6割を消費するこの基礎代謝量を上げることが、ダイエット成功への近道です。
朝にからだを動かすと、代謝が上がりやすいだけでなく、生活習慣を整えることにも役立ちます。逆に、夜に運動をするとからだが興奮して寝つけなくなり、睡眠の質の低下や、生活リズムの乱れにもつながります。
脂肪が燃焼しやすい
朝に運動を行うと、交感神経が活発になり、運動効率が高くなります。交感神経は、心拍数や筋肉の血管の拡張などに関わる重要な神経で、優位になると基礎代謝がアップしやすいといわれています。朝に運動を行えば、効率よく脂肪を燃焼させる準備が整うだけでなく、脳を活性化させることにもつながるため一石二鳥です。
ダイエットにおすすめな朝のルーティン4つ
ここからは、毎朝の積極的に行いたいルーティンを4つご紹介します。どれも習慣化しやすく、続けることが苦にならない方法ばかりですのでご覧ください。
1.決まった時間に起きる
起床時間を一定にすることで、生活リズムが整いやすくなります。社会生活を送っていると同じ時間に就寝することは難しいのが現実ですが、その場合は起床時間を同じ時間にするだけでも生活リズムは狂いにくくなります。
2.白湯を飲む
白湯は内臓を温めるので、基礎代謝アップや、消化を活性化させて便通にアプローチするなど、からだにとっていいことばかりです。
「白湯=お湯」は間違いではありませんが、正確には「沸騰したお湯を冷ましたもの」です。水道水は一度沸騰させてから、ミネラルウォーターなどは電子レンジで温めるだけでも十分です。
3.朝日を浴びながらからだを動かす
「ながら運動」は、体内時計の調整と脂肪燃焼を同時に行えるため、時間を有効活用できます。忙しい朝を効率よく過ごすのに最適です。以下に、10分あれば行えるスクワットストレッチをご紹介します。
朝に最適。スクワットストレッチの方法
1. 両足を肩幅くらいに開き、つま先とひざの方向を合わせる。
2. 両手をまっすぐ前に伸ばす。
3. 腰をゆっくり落とす。太ももと床が平行になることを意識する。
4. 腰を上げ、もとの体勢にゆっくり戻す。
5. (3)~(4)を繰り返す。
スクワットは、器具を使わず自宅で行える簡単なストレッチのひとつです。ポイントは「猫背にならないように胸を張る」「スロースクワットを意識し、10秒ほど時間をかける」です。1日のスタートに疲れすぎないように、気楽に行いましょう。
4.運動後に朝食を摂る
食事と運動の順番は脂肪燃焼と関係があります。
胃腸に食物が入っていない状態だと、体内に糖質が少ないため、脂肪が燃えやすくなります。朝食は運動後に摂るといいでしょう。
糖質がまったくない状態だと脂質消費がうまく行われないため、少し糖分を摂取してから運動してください。バナナなど手軽に食べられるものでOKです(※1)。
また、運動前の水分補給はしっかり行いましょう。
ダイエットには漢方もおすすめ
漢方薬には、いわゆる痩せ薬のような直接脂肪を落とすような薬はありませんが、老廃物を排出したり、血流を改善をしたりすることで代謝を上げて、太りにくく痩せやすい体質を目指せます。
ダイエットにおすすめの漢方薬
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
おなか周りに脂肪がつきやすく、便秘傾向の方に適した漢方薬です。滞った老廃物の排出を促し、脂質代謝を高め、たまった余分な脂肪の燃焼を助ける働きが期待できます。(※2)
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
ぽっちゃり体型で、汗をかきやすい水太り体質の方に向いています。水分の循環が滞って余分な水(すい)がたまっている状態に働きかけ、肥満を解消します。(※3)
大柴胡湯(だいさいことう)
ストレス太りの方に適しています。からだにたまっている熱をとり去ってイライラを解消したり、脂質代謝に働きかけたりすることで、肥満を解消します。(※4)