ここ数年は電気代も高騰しており、節電を考えているご家庭も多いのではないでしょうか。そこで今回は、節電したいときにこそ知っておきたい「正しい冷蔵庫の収納術」について、料理研究家で冷蔵庫収納アドバイザーの島本美由紀さんに教えていただきました!
教えてくれたのは……料理研究家・冷蔵庫収納アドバイザー 島本美由紀さん
手軽に作れるおいしい料理レシピを考案。家事全般のラク(楽しくカンタン)を追求する「ラク家事アドバイザー」、エコの観点から食品保存や冷蔵庫収納を提案する「食品ロス削減アドバイザー」「冷蔵庫収納&食品保存アドバイザー」としても活動中。テレビや雑誌、講演会を中心に多方面で活躍し、著書は80冊を超える。
節電につながる5つのポイント
食品を保存する上で欠かせない冷蔵庫は、家庭用の電化製品の中で最も電気使用量が大きいと言われています。
つまり、「電気代を節約したいのであれば、冷蔵庫の見直しから行うことが重要」と言っても過言ではありません!
まずは、経済産業省が推奨する「冷蔵庫で見直したい5つのポイント」からお話します。
ポイント1:ものを詰め込み過ぎない
「節約のためにも買い物は週に一度」と言う話を耳にすることもありますが、そうして買い込んだものをただ冷蔵庫に詰め込んでしまうのは要注意です!
と言うのも、冷蔵庫に食品を詰めすぎると冷気が上手く庫内に行き渡らなくなり、電気を余計に使ってしまうのだそう。
ものをいっぱいに詰め込んだ場合と半分にした場合とでは、年間約1,360円も差が出るのだそうですよ。
ポイント2:無駄な開閉は避ける
「今日の献立は何にしようかな?」と、つい何度も冷蔵庫を開け閉めしてしまう人も多いのではないでしょうか?
しかし、冷蔵庫のドアを何度も開閉すると冷気が外へ逃げてしまい、その分多く電気を使うことになるので注意が必要です。
冷蔵庫のドアの開閉は必要最低限にして、何度も行わないように心がけましょう!
ポイント3:開けている時間は短くする
冷蔵庫を開けると庫内の冷気は外へと逃げていきます。長い時間開けているとその分どんどん冷気は失われていき、電気を多く使う結果に。
冷蔵庫を開ける際には、できる限り短い時間で用事を済ませましょう。
ポイント4:設定温度を適切に
普段あまり意識しない人も多いかもしれませんが、多くの冷蔵庫では庫内の設定温度を「強」「中」「弱」と3段階で変えられます。
設定温度を「強」から「中」にすると、年間約1,910円もの節約ができるそうです。
ポイント5:冷蔵庫は壁から適切な間隔で
冷蔵庫には「放熱板」と呼ばれる部品が備わっており、庫内のものを冷やすために集められた熱を外へ放つ働きをしています。
この放熱板が壁から近いと熱が外へ放出されづらいため、冷蔵庫内がなかなか冷えずに電気代が多くかかってしまうのだそう。
放熱板の装着面はメーカーによってさまざまです。ご自宅の冷蔵庫の放熱板の装着面を確認し、放熱板が壁に近づきすぎないように冷蔵庫を設置してくださいね。
冷蔵庫の収納テクで知っておきたい「7割ルール」
冷蔵庫の節電のポイントをご紹介しましたが、収納テクニックではどのようなことに気をつければいいのでしょうか?
冷蔵庫収納&食品保存アドバイザーの島本さんによると、冷蔵室でも冷凍室でも、食品の収納には「7割ルール」が大切なのだそうですよ。
冷蔵室は7割以下で
まず、冷蔵室では冷気が効率よく庫内に行き渡るよう、食品は7割“以下”で保存することが大切!
島本さんによると、棚の横幅を3等分して考え、その3分の1のスペース開けておくのがコツなのだそうです。
その際、冷気の吹き出し口の前にものを置くと、庫内が冷えにくくなるので注意しましょう!
冷凍室は7割以上で
冷凍室の場合には、冷蔵とは反対で7割“以上”を収納するのがおすすめ!
冷凍室はものが少ないと冷気が逃げやすく電気代がかかってしまうので、たくさんものを入れてスペースを埋めた方がいいのだそう。
ただ、あまりに多く詰め込むと追加で買い物をした際に収納できなくなってしまうので、7〜9割で余白を残しておきましょう。
さらに、島本さんによると、ドアの開閉時間を短縮するためにもできることがあるのだそうですよ。
開閉時間短縮のために大切な3つの工夫
開閉時間を短くしたところで、必要なものを取り出せずにいては意味がありませんよね。
つまり、冷蔵庫の開閉時間を短く済ませるには、庫内で保存しているものの場所や中身を把握することが大切!
ここからは、島本さんに伺った冷蔵庫の開閉時間を短縮するためにできる工夫を3つご紹介します。