今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
グッバイ・イエスタデー
今週のさそり座は、過去となりつつある自分自身にレクイエムを捧げていくような星回り。
茨木のり子の『わたしが一番きれいだったとき』という詩のごとし。この詩が入った『見えない配達夫』という詩集刊行時、著者は32歳。当時の社会通念ではすっかり落ち着いた年頃と言っても過言ではないでしょう。
晩年の彼女の詩には「詩はたぶらかしの最たるもの」という一節がありますが、『わたしが一番きれいだったとき』という詩は若者としての自分へのある種のレクイエムだったのかも知れません。
あなたもまた、これまで気付いていなかった自身の不幸や寂しさを認め、きちんと供養をしていくことが、今後の新たなチャレンジの原動力になっていくはずです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
大きく終わりを思い描く
今週のいて座は、みずからの世間への対し方のスケール感を大きくしていこうとするような星回り。
『コーヒー店永遠に在り秋の雨』(永田耕衣)という句のごとし。秋は実りや豊かさを享受する季節でもあり、またひと雨ごとに寒さが増して冬へと向かう寂しさを感じる季節でもあります。
掲句の「秋の雨」もどちらかというと後者のニュアンスで使われているように思いますが、そういう最中にあってこそ見えて来るものもあるのではないでしょうか。
あなたもまた、そんな感受性に即して、自身の在り様を見直してみるといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
コの字型カウンターの魅力
今週のやぎ座は、息苦しい文脈から自由で居られるよう、世間とのかかわりを調整し直していくような星回り。
アメリカ出身の日本文化研究者であるマイク・モラスキーの『呑めば、都―居酒屋の東京―』では、赤羽や西荻窪などでの自身の呑み歩き体験をもとに、都会生活における居酒屋の日本独特の役割について言及されています。
酒とつまみだけなら通販や自炊でいくらでも代用可能ですが、強制された訳でもなく自然と集まった常連たちが、互いにノリや発言を読みあうことで醸成されるその店独自の<空気>は、居酒屋でしか経験できないものでしょう。
あなたもまた、みずからが気持ちよく透明になれる場や時間について問い直していくことがテーマとなっていきそうです。