ファスティング(一定期間食事をしない)や水をたくさん飲むなど、デトックス効果を高める方法が注目されています。今回は、からだに蓄積する毒素の侵入ルートとデトックスに効果的な食材や漢方薬を、あんしん漢方薬剤師・薬膳アドバイザーの山形ゆかりさんに伺いました。
そもそもデトックスとは
デトックスとは、からだの中にたまった毒素を体外に排出することです。
体内で発生する老廃物や、体外から取り込まれる有害ミネラルなどはからだに不要なもの(毒素)なので、しっかりと排出することが大切です。
また、デトックスによって血行を促進し新陳代謝を活発にすると考えられているため、肌の調子をよくしたり、むくみや肩凝り、冷え性を解消したりするなど、体質改善や美容効果が期待できる可能性があります。
毒素の種類:老廃物
老廃物には、クレアチニンや尿酸、アンモニアなどがあり、これらは、食事で得たものを消化吸収・利用した後に残るからだには不要なもので、毎日体内で合成されています。
通常、老廃物は肝臓で解毒された後、腎臓で尿が、大腸で便が作られ概ね体外へ排出されます。しかし、暴飲暴食や水分不足、ストレスなどでこれらの臓器の機能が低下すると尿や便としてうまく排出できず体内にたまってしまうのです。
老廃物が体内にたまると、むくみや倦怠感、体臭、重度の場合には痛風などの病気を発症する可能性もあります。
毒素の種類:有害ミネラル(金属)
毒素にはからだに害のあるミネラル(水銀、ヒ素、カドミウム、アルミニウムなど)があり、水銀はマグロやカジキなどの大型魚、ヒ素は海藻類や水、カドミウムはタバコ・排気ガスや米、アルミニウムは調理器具や飲料缶などから、気づかないうちに摂取しています。
食品から摂取する有害ミネラルは尿や便、汗から排出されるため、一般的な食事量であれば悪影響を及ぼす可能性は低いとされています(※1〜4)。
ただし、妊婦の水銀の摂取は注意が呼びかけられており、キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチマグロなどは1週間に80gまでに設定されているため注意しましょう(※5)。
なお、これらの物質が体内に大量に蓄積すると、頭痛や食欲不振などがあらわれ、重度の場合には感覚障害や腎臓に影響を与えるなど、健康を害する可能性があります。
食事でデトックスしてみよう
からだに蓄積した老廃物や有害ミネラルなどの毒素のほとんどは、体内で解毒してから尿や便と一緒に排出されます。
つまり、肝臓や腎臓、大腸の機能を高めることがデトックスには重要です。ここからは、食事でデトックスに関わる臓器の機能を高める方法をみていきましょう。
デトックスにおすすめの食材
デトックスにおすすめの3つの食材をご紹介します。
1.アボカド
アボカドに含まれるグルタチオンは、解毒を促進して肝臓の機能を助ける働きがあります。また、食物繊維も豊富に含まれているため、便秘がちな人にもおすすめです。
2.小豆
小豆に含まれるサポニンは、体内の余分な水分や老廃物の排出を促す作用があり、腎臓の機能を助けます。
3. ぶなしめじ
ぶなしめじなどのきのこ類には不溶性食物繊維が豊富に含まれ、便の量を増やして腸のぜん動運動を活発にすることで、排便を促す効果があります。
ささっと簡単デトックスレシピ「アボカドのぶなしめじ焼き」
◾️材料(2人分)
アボカド … 1個
ぶなしめじ … 80g
醤油 … 小さじ1
ピザ用チーズ … お好みの量
◾️作り方
1. 石づきを切り、ほぐしたぶなしめじと醤油小さじ1を袋に入れ、よく揉み込む
2. アボカドを半分に切り、種を取り除く
3. 種が入っていたくぼみに(1)を入れ、お好みでピザ用チーズをのせる
4. グリルで4~5分こんがり焼いたら完成
どなたでも簡単に作れるデトックスレシピです! ぶなしめじだけでなく、エリンギや舞茸など、他のきのこでもアレンジできます。また、味付け用の醤油にチューブにんにくを加えると、にんにくのもつキレート作用(有害物質を包み込む作用)もプラスされて◎。是非、試してみてくださいね。