今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
時代の軋む音
今週のさそり座は、時代を覆うある種の予感をひしと感じ取っていこうとするような星回り。
『旗のごとくなびく冬日をふと見たり』(高浜虚子)という句のごとし。この句が詠まれたのは1938年、前年の夏には盧溝橋事件が起きており、これが日中戦争の始まりでもありました。おそらく、この句もまた、これまでになかったような緊張感や切迫した空気感がみなぎり始めたのを表現しているのでしょう。
作者は戦争の時代にあっても花鳥諷詠を貫こうとしていましたが、だからこそ逆に時代を覆う破滅の予感の強さ確かさが感じられるのだとも言えます。
あなたもまた、身近な日常を越えた遠くの方へとまなざしを向けてみるといいでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
移り行く時代に連動していく
今週のいて座は、政治的(ポリティカル)な解釈を身近な人間関係や支配構造に取り入れいこうとするような星回り。
公認心理師・臨床心理士の信田さよ子は、日本の家族に働くある種の力学を的確に言い当てた言葉として政治学者・丸山眞男の「抑圧移譲」という言葉を取りあげています。
これは権力者の抑圧が下のものへ順々に発散される構造や仕組みのことで、かつては日本軍内部で行われていた上官からの過酷な暴力、私刑をともなう軍国支配への反省から生まれた言葉ですが、今やこうした構造は日本社会の隅々にまで浸透しているように感じます。
あなたもまた、「レジスタンス」の可能性をみずからの日常の中に見つけていくことがテーマなのだと言えるかもしれません。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
からっぽごろごろ
今週のやぎ座は、意識の隙間にじゅうぶんな余白を与えていこうとするような星回り。
『夢殿にもたれて冬の一日かな』(松瀬青々)という句のごとし。法隆寺の夢殿で詠まれた作で、よく晴れた小春日和にひなたぼっこをしながら、うつらうつらと白昼夢でも見ているような一句。
案外、大事なお告げというのも、縁側に猫でも転がっているような何気ないシチュエーションの中でもたらされているのではないか、などとついつい考えてしまいます。ただし、ほとんどの場合は目が覚めた拍子に、夢の内容をきれいさっぱり忘れてしまう。
あなたもまた、せめて起きた後にゆっくりと夢の内容を思い出すくらいの余裕はもっていきたいところです。