加藤俊徳(脳内科医、医学博士)
男女間の恋愛は、まるで異文化コミュニケーション。「どうしてわかってくれないの?」と、不安になったりすれ違ってしまったりした経験がありませんか?
そこには男性脳と女性脳という違いが大きく影響しているよう。じつは女性でも男性脳タイプと女性脳タイプに分かれるため、自分がどちらに当てはまるのかを把握することは恋愛上手への第一歩!
そこで、「脳の学校」代表を務める脳内科医・医学博士の加藤俊徳先生に、男性脳と女性脳の違いや診断方法、恋愛に活かすポイントを伺いました。
男性脳と女性脳の違いとは?
目で記憶する男性脳と、耳で記憶する女性脳
まず大きな違いですが、男性脳は情報を目で記憶しやすく、女性脳は情報を耳で記憶しやすい特徴があります。頭の中は脳番地ごとに分かれ、視覚や聴覚といった自分の得意な場所で情報を記憶します。
小さいころから女の子がおしゃまなのは、耳の発達がよく、聞いたことを忘れにくいからですね。女性は8:2くらいで聴覚が主体。男性は6:4くらいで視覚が主体です。
忘れっぽい男性脳と、言葉が膨れ上がる女性脳
女性脳の場合、経験したことを言葉であとから延々と反すうします。女性脳の得意分野である言語を操るので、1の出来事が3にも10にも情報として膨れ上がるのです。逆に、男性脳の人は経験したことをぼんやりと忘れて半減していきます。
多くの女性は過去の経験を昨日のようにリアルに思い、男性は昨年のことのように思うのです。根に持つタイプも女性脳ですね。たとえば、LINEの返信がなくて悪い妄想を繰り広げる女性に対し、男性は「そんな時間があるなら別のことをすればいいのに」と不思議に思うのです。
自己主張しやすい男性脳と、受け入れやすい女性脳
男性脳タイプの女性は、意志が強くて自己主張しやすい人が多いです。自分のブランドを立ち上げたり、自分のテリトリーを持っていたりする。コントロールしやすい年下の男性を好きになる女性も多いはず。
逆に、女性脳タイプは自分から前に行かない人が多いでしょう。積極的に行かないけど様子を見ていて、後からタイミングをずらして同調してみたり。従順で受け入れやすく、一歩下がって相手を立てるタイプですね。
男性と女性の脳は近づいている!?
多くの人が、「女性は直観的にモノを捉え、男性は理屈を考えて論理的に捉える」と思い込んでいませんか?
じつは最近の傾向として、男女問わず全体的に左脳を使う傾向が強くなっています。スマホの影響は大きく、文字を読んですぐわかるものに捉われて、視野が狭くなりがちです。
社会的な脳の使い方は、男性も女性も大きく変わりません。男らしい、女らしい、という特徴がどんどん縮まって、真ん中に集約した中性的な男女が増えているのです。
あなたはどっち? 男性脳・女性脳診断
では、あなたは男性脳タイプ、女性脳タイプのどちらでしょう?
以下の質問で「はい」はいくつありますか?
(1)長電話をしたり、よくしゃべったりする
(2)レストランでは写真より料理の説明で選ぶ
(3)ウソをつくのがうまい
(4)新しい機械を買うと、取扱説明書を読む
(5)本を読むことが好き
(6)映画のセリフやストーリーをよく覚えている
(7)服は着る順番を決めてから着る
(8)天丼はエビを最後に食べる
(9)整理整頓が苦手
(10) メモをよく取る
「はい」が6個以上……女性脳
「はい」が5個以下……男性脳
男性脳・女性脳タイプ別の恋愛ポイントとは
それでは自分の脳タイプをもとに、恋愛に活かせるポイントを見ていきましょう。また自分だけでなく、好きな相手がどちらの脳タイプに当てはまるかを見極めておくのも大切です。