子どもがYouTubeばかり見ていて困る。たしかに、子どもが四六時中デバイスを眺めていて、他のことに興味を示さなくなってしまうと親としてはとても心配になります。どうすればいいのでしょうか。
子どもと一緒にネットリテラシーを学ぶ
子どもがYouTube(スマホ)ばかりを見すぎて困っているという問題へのもっとも本質的な対策は「子どものネットリテラシーを高めてあげる」です。
「一日1時間まで」など時間を決めたり、「宿題が終わるまで見ちゃダメ」とルールを決めたりして、子どもがYouTube(スマホ)を見てしまう時間やタイミングを制限する方法はよくあります。こうしてYouTube(スマホ)との距離を取ることも大事ですが、これからの時代、インターネットを危ないものとして遠ざけるのではなく、適切に扱えるようにならなくてはなりません。
内閣府の調査によれば、インターネットを利用している小学生(6〜9歳)はなんと90.9%にもなります。子どもたちにとってもネットは、それだけ当たり前に身の回りにあるものなのです。
親の目が行き届く間だけ一時的に遠ざけていても、子ども自身がその遠ざけられている意味や、正しい扱い方を身に着けていかなければ、問題の先送りになってしまいます。
ところが、親の方が正しいネットに関する知識を持っていないと言われています。
それもそのはずで、今の親世代の中には学校でネットリテラシーについて学んだり、誰かに教えてもらったことなどないという人が多い。何となくニュースやネットの情報を見ながら学んできた世代なのです。だから、子どもにどう教えたらいいかわからないし、子どもがどのようにネットと付き合っていけばよいかも確信が持てずにいたりします。
そうであるなら、いまこそ子どもと一緒になってネットリテラシーを学ぶのがよいのではないでしょうか。
ネットリテラシーとは
ネットリテラシーとは、インターネットを正しく扱うスキルや知識のことです。
インターネットの世界は様々な情報で溢れています。YouTubeも良くも悪くもたくさんの情報を受け取ることができてしまうメディアです。その中にはちゃんと学びになる情報もあれば、ただ人を煽ったり、不安にさせたりするだけのような情報もあります。
ネットリテラシーの学びでは、正しく情報を受け取るにはどうしたらよいか、受け取った情報をどう扱ったらよいかを学んだりします。
また、ネットを通して誰もが情報を発信できる社会になりました。YouTubeは見るだけでなく、発信ツールとしても活用できます。また、SNSやLINEを使って発信したり交流したりするようにもなりました。そうした発信をするとき、自分の発言がどのような影響を及ぼしたり、どのような責任を負うものなのかを知らなければ、軽率な発信をしてしまいかねません。
そして、インターネットの世界は意見のやり取りだけじゃなく、大切な個人情報などセキュリティーに対しての扱いも大事になってきます。このセキュリティーへの知識を持たないままネットを扱っていると、いつの間にか情報を抜き取られたり、アカウントを取られたりして、とんでもない被害を被ることもあります。
このような情報の受発信、そしてセキュリティなど。親子で学びながら、扱い方を身に着けていくといいでしょう。
子どものネットリテラシー教育は、幼少期から行っても決して早くないと言われています。そうしたIT教育をしてくれるスクールもありますし、子ども向けの本などもあるので、親子で一緒に読んでみるのもいいでしょう。
ネットリテラシーを身につけるまでは、親の管理下に
ネットリテラシーを学びながらも、最初からしっかりと理解ができるわけではないでしょう。
親から見て、一緒に学んだ知識を子どもがちゃんと理解したなと思うまでは、スマホやデバイスなどは親が「貸してあげてる」という形にしてもいいかもしれません。
貸しているものだから、使用の制限時間や使い方については親が決めていきます。そうした練習期間を経て、安心して任せられると思ったら自分で管理するようにしてあげるのです。
これからの時代、正しいネットリテラシーを子どもの頃から身につけておくのは、一生の財産となるはずです。
ぜひ、子どもと一緒に学んでみましょう!