今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
近道を避ける
今週のさそり座は、大変なことになる手前の浅い関係のうちに、縁を切っていこうとするような星回り。
「サジを投げる」という言葉の「サジ(匙)」とは、薬を調合する道具のことで、もともとは医療者側がこの病人は何をどう調合しても助かる見込みがないと、見放すことを意味していたのだそうです。
そうすると「サジを投げる」のは、最後まで相手と寄り添おうとしない、ひどい人間のする後ろ向きな行為のようですが、果たしてそうでしょうか。
あなたもまた、中途半端に振り回すくらいなら、いっそ「サジを投げる」方が相手を助けることもあるのだということを、改めて胸に刻んでいきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
不安を語る勇気
今週のいて座は、人の力のうねりが生まれていくさまを目撃していくような星回り。
『野分やんで人声生きぬここかしこ』(原石鼎)という句のごとし。
喧噪というのは、人間がひとりいるだけでは決して成立しません。自然の力に対する素直な声や意見が、ひとつふたつ、いや十やら百やら集まっきて、ようやく喧噪というのは生まれてくるのであって、掲句はその過程をじつになまなましく描き出してみせたのだと言えます。
あなたもまた、内にも外にもいつも以上に耳を澄ませていきたいところです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
必要最低限の警戒心
今週のやぎ座は、個人的なものの範疇を越えた悪が、いかにみずからの日常や内心に忍び込んでいるのかを観察していくような星回り。
悪に対する感覚が鈍っている現代日本人は、悪と言えば、不倫や暴行のような個人的な悪やその延長上にあるものとして裏金や脱税などの一部の人間の悪巧み程度にしか考えられなくなってしまっているのではないでしょうか。
かつて古代ローマの教父アウグスティヌスは、悪とは「完全性の欠如」であると考えましたが、ラッセルがいうように最新のテクノロジーやデジタルと結びついた現代の悪はもはやそんな生やさしいものではなく、リアルに実在する内在的かつ自律的な存在と言えます。
あなたもまた、みずからの内に巣食う無知や無関心がどんな風に「超個人的な悪」に繋がって、実際的な事態をひき起こしているのかと想像してみるといいでしょう。