今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
過去との対決
今週のかに座は、改めて養生の第一歩に立ち戻っていこうとするような星回り。
養生をめぐる逆転や錯綜について、例えば野口整体の創始者である野口晴哉は、「養生」というエッセイの中で、次のように述べています(『偶感集』)
「断食して丈夫になる人あり。餓死する人あり。食いたくても食はぬ人には断食は健康法になり、食いたいのに食へぬ人は餓死する。生と死の境は「は」と「へ」のみ。養生の第一歩は心の「は」と「へ」を切り替えることにある。/「へ」から出発した行為には、鍛えるということは含まれてはおらぬ。「は」から出発した行為は、人間を鍛える。」
あなたもまた、食へぬ、遊べぬ、会へぬといった消極的な「へ」を、いかに積極的な「は」へと切り替えていけるかどうかが問われていくでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
真剣に遊ぶということ
今週のしし座は、ますます阿呆になっていくふりをしていくような星回り。
『コスモスの花あそびをる虚空かな』(高浜虚子)という句のごとし。気ままに風で遊んでいるコスモスの花たちは、まるで母なる虚空のふところに抱かれているようでもあり、掲句を繰り返し読んでいるだけでも、読者の内で遊ぶ子どもの無邪気さと母子一体の深い安心感とがおのずと結びついてくるはず。
ひるがえってみると、小さなコスモス(花々)と大きなコスモス(宇宙)のはざまに立っている人間が一番あそびが足らないのかも知れません。
あなたもまた、2つのコスモスに負けないくらい、どこまで「あそびをる」ことができるかが問われていくでしょう。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
<私>が帰するところ
今週のおとめ座は、「人生は夢である」という感覚を深めていこうとするような星回り。
アーノルド・ミンデルの『24時間の明晰夢―夢見と覚醒の心理学―』では、私たちが夢にコミットしていこうとするのは、この世での嫌なことを忘れるためといった現実逃避的な動機付けだけでなく、<私>が帰するところに対して視点を深めようとしているからなのだと言います。
すなわち、「すべての物事がそこから生起する、分(節)化していない全体的な世界の感覚に注意を払うこと」で、私たちは「夢よりも深い覚醒」に至るのだ、と。
あなたもまた、みずからの基盤を改めて確かなものにするためにも、こうした視点や理解はますます大切になっていくでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
脱俗を経ての俗ということ
今週のてんびん座は、図と地が反転し、これまで潜んでいた地の部分が浮上していくような星回り。
『去年より又さびしひぞ秋の暮』(与謝蕪村)という句のごとし。
作者の心の師である芭蕉の作に「この秋は何で年寄る雲に鳥」というよく知られた句がありますが、芭蕉句の象徴を用いた洗練された句法に比べると、やはり作者の地の部分である山深い信州出身の土臭さのようなものが濃厚に漂っているのがわかるはず。
あなたもまた、これまであまり言葉にすることのなかった地の声のようなものを言語化していくにはもってこいのタイミングと言えるかもしれません。