今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
立ち返るべき原点
今週のかに座は、みずからの心の琴線にふれるような安心のイメージを汲みあげていこうとするような星回り。
精神的に追い詰められた人というのは、しばしば少しでも批判できるものや相手を過度に責めすぎてしまったり、出来事や他者との和解の糸口でわざわざ自分で潰してしまったりして、さらなる災難を呼んでしまうといったことが多々ありますが、そんなふうに自暴自棄にならないためには、一体どうすればいいのでしょうか。
例えば、いわゆる「終末期ケア(ターミナル・ケア)」を支える死の受容プロセスを提唱した精神科医のエリザベス・キューブラー・ロスは、死にゆく人びとへの援助について考えていく上でつねに立ち戻っていった1つのイメージがありました。
あなたもまた、そうした苦痛に対する“麻酔薬”を欲していく向きが強まっていくはずです。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
この世で一番怖いもの
今週のしし座は、「本当に怖いものは何か?」ということを突き詰めていこうとするような星回り。
『恐山に冬のブルドーザー近づく』(城岩喜)という句のごとし。
「冬のブルドーザー」の不気味さというのは、皮肉にも私たちが「霊や祟りなぞ存在するわけがない」などと理知的で明るい精神を求めれば求めるほど、こちらの足もとを掬ってくるようなこの世界のうす暗い物質性に共通した質感を捉えているように感じられてなりません。
あなたもまた、「お前の真の敵は誰だ?」と繰り返し自問してみるといいでしょう。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
失われた聖杯を求めて
今週のおとめ座は、まず第一に「私の仕事はどのような人に役に立つか」という観点に立っていこうとするような星回り。
思想家のルドルフ・シュタイナーによる1910年代の講演である『職業のカルマと未来』では、すでに近代の労働者は経済的な現実のみが唯一の現実であると信じ始めているということに触れているのですが、労働者が欲しているものの中には、決して経済活動のみの結果としては現れないものがあるのだとも指摘していました。
労働者の内面に確かに存在する「労働力を商品とされることへの嫌悪感」こそが近代の社会運動全体の根本衝動であり、それを「はっきりと語」ることこそが近代の負の遺産を超えていくための出発点になるという訳です。
あなたもまた、自分なら仕事にまつわることで、いつどんなときに嫌悪感を覚えるのか、そしてそれが何に起因しているのか、この機会に改めて考えてみるといいでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
回り道をひとりゆく
今週のてんびん座は、何らかの不一致やズレを通じて胸の内の思いが強まっていくような星回り。
『杯(さかずき)にうつらぬ心年忘』(星野高士)という句のごとし。
「年忘(としわすれ)」は忘年会の宴のこと。作者も会話自体には時おり参加しているものの、どうにも気分が盛り上がらず、むしろ沈んでしまっているのでしょう。置かれた状況に心がうまくはまらなかったり、現実のスピード感にまだ心身が追いついていなかったり、言われてみればこんな忘年会の体験をしている人も少なくないのではないでしょうか。
あなたもまた、普段ならあまり外に漏らさないようにしている心の声がひときわ大きくなっていきそうです。