2階では本格的な茶室で「抹茶の体験会」が楽しめます。実際に参加した様子をレポートします!
まず階段を上がると窓からの景観にびっくり!高台になっているので産寧坂が一望でき、八坂神社、五重塔、清水寺の一部まで見渡せます。この景色は、抹茶体験に申し込んだ人しか見られないプレミアムな絶景です。
茶室には床の間などもあり、海外の方に喜ばれるそうです。
「抹茶の体験会」は、所要時間が最短20分と、観光途中でも気軽に参加できるのがうれしいところ。Webから事前予約できますが、専任スタッフが在籍する日なら当日申し込みもOK!
専任スタッフは英語も堪能。茶道の歴史や道具の説明もしてくれます。
今回手ほどきしてくれるのは、日本茶インストラクター資格を有するスタッフ。茶道の歴史から、茶葉の種類や産地、淹れ方など、お茶に関する豊富な知識と経験を積んだスペシャリストです。
動画撮影用のスマホ固定具が備えらえているから便利。
3室ある茶室は入口が狭い「にじり口」になっており、床の間も造られた本格的な設え。安全のため体験ではポットの湯を用いますが、ちゃんと茶釜も置かれ、本来の点て方をインストラクターが説明してくれます。
また、こちらでもお茶碗を選べます。鮮やかなピンク、艶消しの朱色、絵入りなど、素材も柄もさまざま。絵柄が入っている場合はそこが正面になるので、自分の前に向けます。
「抹茶の体験会」参加者には手ぬぐいのプレゼントも。
本来の茶道は細かな作法が決められていますが、ここではカジュアルな作法で。折敷(おしき)にイラストで茶道具や点て方を図解しているので、分かりやすいですね!
まずは抹茶椀に1/3ほどお湯を入れ、温めます。お椀を清める意味もあるそうです。その中で茶筅をくるくると回し、竹の先を柔らかくします。
お湯は「建水(けんすい)」とよばれる器に捨てます。その後は、お茶入れ「棗(なつめ)」に入った抹茶を、茶碗に2g盛ります。茶さじ1杯が1gなので、2杯分です。
ここに水を10cc注ぎ、一旦茶筅を動かして抹茶を溶きます。こうすることで「ダマ」にならないようにするだけでなく、甘みが引き出されるのだとか。実はこの溶く作業、なかなかコツが要ります。
そして50ccのお湯を注ぎ、数字の1を描くように前後にシャカシャカと茶筅(ちゃせん)を動かして抹茶を溶き、最後に茶筅で円を描くように混ぜます。表面が小さな泡で埋まったら、最後に「の」を描くように茶筅を回し、出来上がり。
自分で点てたお茶、見るだけでもなんだか愛おしいですね。早速、お菓子と一緒にいただきます。1階でいただくお菓子と同じ「抹茶うば玉」です。通常、お菓子を全部食べ切ってから抹茶に口をつけますが、ここでは厳しい作法はないので、交互に味わっても大丈夫。甘いあんこを食べた後に抹茶を飲むと、苦みがマイルドになり抹茶がまろやかに感じられます。
抹茶の良いところは、茶葉を丸ごと挽いた粉末をいただくので、お茶の効能をまるごと取り入れられること。インストラクターさん曰く、「簡単に点てられる方法があるので、気軽に抹茶を楽しんでほしいです」。
「抹茶椀や茶筅があればベストですが、なければカフェオレボウル、カプチーノの泡立て器などで代用しても大丈夫」とのこと。毎日のティータイムに、抹茶を点てて豊かな時間を過ごしてみるのも素敵ですね。
京都駅からはバスアクセスが便利
「京都 茶の湯 明保野亭」へ行くには、JR京都駅から市バス206系統で約20分の「清水道」で下車して歩くのが便利。バス停から徒歩7分ほどです。紅葉などのハイシーズンは道路が大変混雑するので、くれぐれも時間に余裕を持って行動しましょう。京阪電車の祇園四条駅、清水五条駅から20~25分歩くなど、他のルートを使うのも手です。
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Photo:橋本正樹
Text:猫田しげる