今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
内からにじみ出てくるもの
今週のさそり座は、手で触れるくらいなまなましい“夢”をながめていくような星回り。
『春眠の底より笑ひかけむとす』(西山ゆりこ)という句のごとし。
作者がここで詠んでいるのは、外的環境に反応して条件反射的に発された「笑い」ではなく、おそらくは現実とは隔絶した眠りの底で触れた、なまなましいリアリティの深まりが内発的ににじみ出てきた「笑み」であり、そのかすかな痕跡なのでしょう。
あなたもまた、春特有のあわいぼんやりとした気分の中で、何かしらビジョンの痕跡をたどっていくことになりそうです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
暇を潰さず、楽しむために
今週のいて座は、子どもの遊びの延長として、みずからのビジネスの「ミッション」を発信していこうとするような星回り。
コロナ禍をへたあたりから、私たちの労働と余暇の境界線はますます曖昧になり、そうした状況に困惑したり疲弊していたりする人もいる一方で、両者のあわいで生きる術を編み出し、そこから思いがけない効用を引き出すことに成功している人も少なくないのではないでしょうか。
つまり、私たちは「忙しすぎる」ことに文句をいいがちな一方で、突然できた暇に耐えられず、それを実にくだらない消費行動に費やして無駄にしてしまうのであり、先のいかに「ミッション」を発信していくかということも、“暇”に対する戦術をどれだけ用意し、実行していけるかということとも繋がっているのではないでしょうか。
どうしたら暇を子どものように楽しむことができるかという問題に、可能なかぎり意識的に取り組んでみるといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
説明をすっ飛ばして
今週のやぎ座は、ずっと目の前にあったものの本質にハッと気がついていくような星回り。
『春星や女性浅間は夜も寝(い)ねず』(前田普羅)という句のごとし。
日本の山岳の多くに女性の神々が祭られている背景には、日本の山のうちに麓に暮らす人びとを温かく抱き寄せ、またこれをはぐくむ永遠なる母性の顕現を感じとってきた歴史があります。そして作者の場合も、そうした列島の精神史に根ざしつつ、みずから目前の浅間山に寄り添わんとしたことで、「女性浅間」の一語が生まれ得たのだと思います。
あなたもまた、これまでの蓄積の上で、これしかないという確信をつかみとっていきたいところです。