デジタル技術×アート 3つの共鳴体験
塩田千春による「言葉の丘」に反応する「石ころ」。
・Sequence1「人と人との共鳴」:塩田千春「言葉の丘」
シークエンス1では「人と人との共鳴」をテーマに、自己と他者を見つめ、「何を通してつながるか」を再認識する体験ができます。「言葉の丘」は小高い丘にある赤い糸と多言語の文字、線で形作られた机と椅子で構成された作品です。
幾重にも張り巡られた赤い糸と宙を舞う多言語の文字が、ふだんは意識されにくい目に見えないつながりを示唆しています。
・Sequence2「人と世界の共鳴」:宮島達男「Counter Voice Network – Expo 2025」
シークエンス2では、「人と世界の共鳴」をテーマに、丘からなだらかなスロープを降りていくにつれて展開される、音声を軸にしたインスタレーション作品です。
様々な言語(日本語、英語、フランス語、マレー語など)を用いて、異なるリズムで0を抜いたカウントダウンが鳴り響きます。声が聞こえてくる坂道を下る体験は、時間は有限であり、死に向かっていることを浮き彫りにし、不思議な感覚になります。
・Sequence3「人と未来の共鳴」:宮田裕章「共鳴の空」、 宮田裕章 with EiM「最大多様の最大幸福」
シークエンス3の「共鳴の空」は、ビジュアル的にも楽しい、虹が出現するインスタレーションです。キャノピー下に人工の雨を降らせ、どこに虹が現れる分らず、思いがけない体験が広がります。
また、「最大多様の最大幸福」は宮田裕章氏とクリエイティブチームEiM(エイム)が手掛けるサンキャッチャーが取り付けられたインスタレーションもあります。
晴れた日には自然光を浴びて虹色の輝きが広がり、曇天や雨の日には霧と人工光のコントラストが幻想的な光景を作り出します。
残念ながら、体験した日は曇りで虹は現れませんでしたが、水に濡れたサンキャッチャーが、時折差し込む光に反射して、とても美しかったです。
・エピローグ
宮田裕章と真鍋大度らが手掛ける最後のエピローグでは、これまでのアートの体験の集大成となります。来場者がそれぞれの体験やインスピレーションをふしぎな石ころ「echorb・エコーブ」を通じて持ち寄ることで、球体LEDの装置に可視化されます。
素敵なお土産付き!
体験の最後には嬉しいプレゼントが。「Better Co-Being」のパビリオンをイメージした美しいグラデーションのトートバッグに入っています
未来とは他者との結びつきであると感じさせられる、感慨深い体験でした。また「Better Co-Being」の体験は予約制ですが「静けさの森」は自由に出入りできるので、水辺があったり、丘があったり、訪れるだけでも楽しむことができます。
日常の慌ただしさを忘れる静かな時間を味わってくださいね。体験の最後には嬉しいお土産のサービスもありますよ!
空想のマーケットで学ぶ食育「EARTH MART」
全国地域から集めた茅を使い、職人たちの手によって構築された茅葺屋根の「EARTH MARKT」。
最後にご紹介するのは、「シグニチャーパビリオン」の「EARTH MART」です。
コンセプトは「食を通じて、いのちを考える」。地球を全ての生き物が必要な食べ物を分け合う「市場(マーケット)」と見立て、地球にある有限の資源の大切さと、それを分け合う喜びを伝えるために「EARTH MART」と名付けられたそうです。
館内には「プロローグ」、「いのちのフロア」、「未来のフロア」、「エピローグ」という大きく4つのゾーンがあり、全部でおよそ20個もある充実したコンテンツです。
料理や食に興味のあるSTORY世代読者に、オススメのパビリオンです。また、食育を学べる場として、お子さんとも訪れてほしいパビリオンでもあります。