戦慄の映像体験のできる巨大球体シアター
ゴミに飲み込まれる地球の映像が投影される「ドームB」の巨大球体シアター
真っ白なドームの次は、トンネルのような通路を抜けると宇宙空間のような、漆黒の巨大球体シアターへ。WOW(ビジュアルスタジオ)による、神秘的な映像体験が待っています。
高精細のLEDスクリーンに映し出されるのは、青く輝く水の惑星・地球。いのちの誕生から、躍動する魚の群れ、サンゴ礁の豊かな生態系、未知の深海生物などの素晴らしい映像に引き込まれていきます。
そして、続くのはゴミに侵食される地球。映像と共に汚染に飲み込まれる生命の嘆きの様な悲しく、切なく、美しく、でも轟くような力強い歌声が、響き渡ります。
強烈な映像体験は、鑑賞者の心に深く印象を残すことでしょう。
<CFRPドーム>
「ドームB」では、建築の軽量化を命題に、航空宇宙や自動車などに用いられるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を主構造として採用。鉄の1/5の軽さでありながら同等の強度を持つこの素材により、杭を打たずに建設し、廃棄物を出さずに撤去できるパビリオン建築を実現しています。
また、映像では、プラスチック問題を定義しながら、あえてプラスチック素材を使用することで、プラスチックは「悪」として捉えるのではなく、再利用するなどの循環資源として活用を提案している点が非常にユニークな視点だと感じました。
「ドームB」は坂氏が建築設計を手掛けるモルディブのリゾートホテルへの移築が決まっています。
あの最高値1キロ100万円の塩次郎の「奇跡の塩」が味わえる⁉
「海と山の超天然水」を味わうことのできるカフェ。
最後の「ドームC」では、熊野の天然水と、最高値が1キロ100万円という高知の塩職人・田野屋塩二郎氏の「奇跡の塩」を組み合わせた拘りの「海と山の超天然水」を味わうことができます。監修はなんと料理研究家の土井善晴先生。
そして、お値段も驚きの540円。せっかくなので、一杯頂くことにしました。
注文をすると、まるで抹茶をたてるように丁寧に淹れてもらえます。お味は、塩水と言ってしまえば、それまでですが、じっくり味わうとまろやかで、旨味を感じることができます。
入手困難な「奇跡の塩」を味わうことができるので、料理好きには滅多にできない経験になると思いますので、ぜひお試しあれ!
<再生紙でできた「ドームC」>
坂 茂氏の建築を象徴する建材として「ドームC」の骨組みには再生紙の紙管、床も紙材が使われています。通常は紙や布などの巻き取り芯材として使われるこの素材を、パビリオンの構造材として展開しているそうです。
野外型のアート体験ができる「Better Co-Being」
次は、「シグニチャーパビリオン」から「Better Co-Being」です。健康や医療政策を専門とするデータサイエンティストとして活躍中の慶應義塾大学教授・宮田裕章氏がプロデュースする野外型のパビリオンです。
<屋根も壁もない野外の「Better Co-Being」のテーマは「共鳴」>
建物は、万博会場の中心にある「静けさの森」と調和した、屋根も壁もないユニークなデザインが特徴。「共鳴」をテーマに、屋根も壁もなく、「静けさの森」と一体となって佇むパビリオンです。
それぞれの体験は「共鳴」をテーマにした3つのアート体験とエピローグで構成されています。デジタル技術を駆使したツールで、来場者の動きを読み取り共有し合うことで、共鳴体験を強めます。
事前予約の少人数制のツアーなので、混雑を避けて、静けさの森の中のアート作品をゆっくりと体験することができます。
データを連携した共鳴体験に導く2つのアイテム
まず、会場に到着すると「石ころ」と呼ばれるディバイスと専用アプリを連動させます。ツアーガイドが丁寧に教えてくれるので、事前の準備がなくても大丈夫です。
・石ころ
ツアーの案内役となる「石ころ」で、3D ハプティクスという技術を応用し、不思議な触覚で来場者を共鳴体験に導きます。
・専用アプリ
来場者の共鳴体験をサポートする WEB アプリです。万博の期間を通じて来場者の体験をアーカイブし、他者の多様な視点・価値観への気づきを促します。アプリを利用する場合、スマホが必要になりますが、「石ころ」だけでも楽しむことができます。