無料の会員登録をすると
お気に入りができます

[渋谷区ふれあい植物センター]日本一小さな植物園で、雨の日も癒やしのひとときを

雨の日、おでかけ先に迷ったらぜひ訪れてほしいのが「渋谷区ふれあい植物センター(しぶやくふれあいしょくぶつせんたー)」。「日本で一番小さな植物園」として知られるコンパクトさながら、緑豊かな癒やしの時間がゆったりと流れる空間です。2004年の開園以来20年以上愛され続け、2023年7月に「農と食の地域拠点」をテーマにコミュニティ型植物園としてリニューアル。館内には果樹を中心とした食べられる植物が生い茂り、小さなカフェスペースでは、植物由来のドリンクやスイーツも楽しめます。

雨でも楽しめる! 渋谷駅から徒歩圏内の小さな植物園

picture

東京・渋谷の駅近にありながら、静かな時間が流れる「渋谷区ふれあい植物センター」。渋谷駅新南口から明治通りを恵比寿方面に直進して東交番前の交差点を右折し、一つ目の角を左に曲がると、ガラス張りの温室が現れます。渋谷駅新南口と恵比寿駅のほぼ中間に位置し、どちらの駅からも徒歩約12分というアクセスのよさも魅力です。

温室内では熱帯植物やハーブ、野菜も育てられており、雨の日でもゆったりと自然にふれられる穴場スポット。一見カフェと間違えるほど垢抜けたデザインで、最近では若い女性やカップルの来館も増えているとか。

picture

スタイリッシュなロゴが目印

20年以上前から地域に親しまれてきた「渋谷区ふれあい植物センター」は、設備の老朽化による休園期間を経て、2023年7月に大きくリニューアル。新たに掲げられたコンセプトは「育てて 食べる」というもの。

都会に暮らす人々が植物とのつながりを実感できるようなコミュニティ型の植物園として生まれ変わり、「見る」だけでなく「育てる」「味わう」といった体験ができる講座やイベントも充実しています。

picture

入口の周囲をぐるりと囲むように植物が植えられていて、足を踏み入れる前からワクワク。古木のスペインオリーブ、料理やドリンクにも使われるミントなどのハーブ類、デザートやサラダに使うためのエディブルフラワーのほか、アーモンドの木や温州みかんなど、渋谷ではなかなか見かけないユニークな植物が育てられています。

ここはコンポスト(生ごみなどを分解し、堆肥や腐葉土として生まれ変わらせたもの)を活用した土づくりや防鳥ネットを設置した繊細な手入れで、植物が丁寧に育てられています。こうした管理には、地域のボランティアの方々の協力も必須だとか。ボランティア募集は随時公式SNSで告知されており、その日のうちに枠が埋まってしまうほどの人気ぶりだそうです。こういったところからも、地域とともに育つコミュニティ型植物園であることが見てとれます。

130種類以上の熱帯植物とふれあえる癒やし空間

picture

館内に入ってすぐ目に入るのが、小さなシアタースペース。ここでは「渋谷区ふれあい植物センター」で育てられている植物や野菜たちの成長の記録や、館内で開催されるワークショップやイベントの様子などを映像で見ることができます。

スタッフが植物の世話をするという普段はなかなか見ることのできない様子や、カフェでスイーツやドリンクを作るシーンなどが紹介されることも。地域の保育園の遠足や、さまざまな団体の見学などにも活用されています。

picture

入口付近には、2025年4月に新たにスタートした「水のなかの植物園」のコーナーがあります。水草や水辺の植物が生い茂るなかに熱帯魚がゆったりと泳ぐアクアリウム。魚の排せつ物を植物の栄養にし、その植物が水をきれいにしてくれるという、魚と植物が共存する地球の縮図のような空間です。

picture

生き物の息吹と自然の循環を体感してみよう

picture

1階にはメインのボタニカルガーデンがあります。「渋谷区ふれあい植物センター」では、外や屋上も含め全部で130種類以上の植物が育てられています。建物の中はまるで南国の果樹園のような雰囲気で、マンゴーやグアバなどの熱帯果樹が中心。ほかにも、食べられる下草系の植物も。ここで育てられている果物はタイミングがよければ試食することもできるので、見るだけでなく味わって楽しむなど、五感で植物の恵みを感じることができます。

picture

タマシダやオニヤブソテツなど山菜系の植物も見られる

picture

熱帯で栽培されるサンジャクバナナ。取材時はそろそろ収穫の時期を迎えるころ

picture

南米の植物のジャボチカバ。直接木につぼみがつき、花を咲かせ、実をつけるのが珍しいとされる

picture

少し進むと、突き当たりに休憩スペースが。取材時は、カップルがゆったりと談笑していました。入ることはできないですが、休憩スペースの奥にはタイバジルやタイミント、レモングラスといったアジアンハーブのスペースがあります。周辺にはライチやマンゴー、グアバなど南国の果樹が植栽され、まるで南国リゾートでゆったりと過ごしているような気分にひたることができます。

picture

1階の中央には「Music of Plants(みゅーじっく おぶ ぷらんつ)」とよばれる、とてもユニークな空間があるので、ぜひ体験を。ここは、植物から発せられる微弱な生体電位をもとに変換された「植物が奏でる音楽」を聴けるスペースです。現在は4種類のパターンの音楽が作られているそうで、取材時はパイナップルとジャブチカバの音楽を体感できました。

picture

中は天井が低く、くぐって入る造りになっています。「植物が奏でる音楽」は、アンビエントで浮遊感のある心地よいサウンド。ドーム型の設計により、音に心地よく包まれるような独特な体験ができます。同じ植物でも1日のバイオリズムで生体電位が変化し、ここで聴くことができるのは、録音されたそのときだけの特別な音色だそう。神秘的な感覚にひたることができますよ。

picture

同じく1階には、レタスやミズナ、ルッコラなどのサラダ野菜を水耕栽培しているエリアもあります。赤・青・緑の3色のLEDライトが日光の代わりとなり、季節や時間を問わず植物を育てています。ここで収穫したサラダ野菜は、フレッシュで味もおいしいと評判だとか。2階のカフェで食べられるというから、楽しみですね!

picture

2階へ続く階段を上がり、カフェへ向かう途中には、希少なコーヒーノキ「ティピカ」が並んでいます。コーヒーの種子は豆として利用されるため、カフェで「コーヒーゼリー」として味わえる日も近いかもしれません。そのほか、日本では珍しいドラゴンフルーツなども育てられています。

階段を上がったカフェの手前のスペースには、農や食にまつわる絵本、専門書、写真集など幅広い書籍が揃い、自由に手に取って園内で閲覧することができます。

オリジナルサイトで読む
記事に関するお問い合わせ