夏に、食欲が落ちたり、冷たい飲みものや食べ物をとり過ぎたりした人は、ちょっと注意が必要です。少し涼しくなった時に「怠さが抜けない」「疲れやすい」「めまいがする」などの貧血に多い不調に悩まされてしまうかも。そこで、今回は、秋の旬食材で貧血予防・改善をする方法を紹介します。
夏の疲れが貧血を招く?
暑さにやられてしまい食欲が落ちたことで、氷の入った冷たい飲み物ばかり飲んだり、そうめんなどの麺類ばかり食べていた人は、気づかぬうちに炭水化物中心の食事になってしまい、体をつくる材料であるたんぱく質や鉄分が不足しやすいです。また、発汗により水分だけでなく、ナトリウムや鉄分、亜鉛などのミネラルも排出されることで、栄養バランスも崩れます。その結果として、貧血の特徴的な症状でもある「立ちくらみ」「疲労感」などの症状が出やすくなります。
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また、血液検査では引っかからなくても、夏の栄養不足とミネラルの消費により、特に女性や成長期の子どもは隠れ貧血にもなりやすいため、注意が必要なのです。
貧血予防にとりたい栄養素
鉄分と言えば、赤血球の主成分であるヘモグロビンの材料ですが、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄は赤身肉などの動物性に豊富に含まれており、非ヘム鉄は植物性食品や乳製品、卵に豊富に含まれています。そして、たんぱく質に包まれているヘム鉄の方が体への吸収率は高いと言われています。
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他にも、しじみやアサリに豊富に含まれるビタミンB12、ほうれん草や菜の花、ブロッコリーなどに豊富に含まれる葉酸は協力しあうことで、赤血球をつくる働きをします。
貧血予防に食べたい秋の旬食材
秋刀魚
秋になると脂がのり美味しさも増す秋刀魚は、貧血対策には欠かせない鉄分はもちろん、代謝を回すサポートをするビタミンB群、マグネシウム、亜鉛、そして、DHAやEPAの飽和脂肪酸も豊富に含まれています。秋刀魚の塩焼きは消化を促進してくれる大根おろしと一緒に食べることで鉄分吸収もアップします。
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かつお
9-10月が旬となる脂ののった戻りがつおは、特にお腹と背中の赤黒い部分には鉄分が豊富に含まれているだけでなく、赤血球の合成に欠かせないビタミンB12も含まれています。そのため、ビタミンB12とサポートし合い赤血球をつくる葉酸を豊富に含むきのこ類とマリネなどにして食べるのもおすすめです。生のかつおが手に入らない場合、かつお節として葉酸の豊富なブロッコリーやほうれん草と和えて取り入れるのもよいでしょう。
小松菜
小松菜は茹でるイメージが強いですが、吸収率アップのためには、蒸したものにオリーブオイルなどを回しかけるのもおすすめです。また、ビタミンCが鉄分の吸収を促進するため、アクセントでレモン汁を絞ったり、パプリカやジャガイモ、ブロッコリーなどと組み合わせて食べるのもよいでしょう。
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貧血対策しながら秋の旬も堪能しよう
食欲の秋と言うように、秋には美味しい旬の食材がたくさんあります。それを美味しくいただくためにも元気な体は必須です。もし、夏の疲れからの貧血を感じている場合は特に意識して、今回紹介した食材を取り入れてみてはいかがでしょうか?
【参考文献】
ライター/管理栄養士 亀崎智子
管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528