この秋スタートするドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」で、また新たな役に挑戦する夏帆さん。主人公・鮎美と共通する部分はあるのだろうか。ドラマを通じて伝えたいこと、誕生石でもあるパールへの思いを聞いた。
“出会い”をきっかけに、人生の考え方が大きく変わることもあります
ふんわりとやわらかくて穏やかなムードをまとい、それでいて役を演じるたびに鮮やかに印象を変え、観る人に新鮮な驚きを与えてくれる夏帆さん。34歳、バイラ世代の彼女が、この秋スタートするドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」で、また新たな役に挑戦する。
本作は、同名の人気漫画を原作にしたドラマで、ハイスペックな男性との結婚を夢見て献身的な彼女を演じてきた鮎美と、亭主関白思考な勝男のカップルが、ある出会いをきっかけに、当たり前だったものを見つめ直し、成長していくロマンスコメディ。夏帆さんが演じる主人公の鮎美は、常に“恋人ファースト”で自分の好きなものを聞かれても答えられない、“自分らしさ”を見失っている女性。そんな鮎美のキャラクターと夏帆さんに、共通する部分はあるのだろうか。
「最初に原作を読んだときは、自分が持っているものと、鮎美が持っているものはまったく違うと思っていました。でも台本を読み進めるなかで、鮎美と自分が重なる部分を見つけて、そこをいかに伸ばしていくかを模索しています。『何が好き?』ってふいに聞かれると、迷ってしまう瞬間は確かにあるし、それに私にも、人生のなかで当たり前だと思ってきた価値観ががらっと変わったという経験が何度かあります。仕事でもプライベートでも、きっかけはいつも作品や人との“出会い”でしたね。そんな風に、鮎美という役を通じて、私自身も“自分らしさ”について考えさせられることが多いです」
周りからすると、唯一無二の“自分らしさ”を持っているイメージの夏帆さん。今回の撮影でも様々なファッションを着用してもらったけれど、どれもさらりとまるで自分のもののように着こなしてしまう。ただそこにいるだけで夏帆さんらしいのはなぜだろう。
「そうですか? 自分ではわからないのですが……(笑)。でも、ファッションは比較的、自分の“好きなもの”がわかりやすいかもしれません。あまり悩まず、ふと目にとまったものを直感で手に取るタイプなので。東京にいると、買い物のためだけに出かけることはあまりないのですが、最近は、旅先でたまたま出会ったものに惹かれて買うことが多いですね。まとまった休みがあると旅に出たくなります。行先は国内外問わず、その時々で、見たい美術館の展示や、好きなミュージシャンのライブがあるから、食べたいものがあるからとか、何かしらを目的にして。さっきの話にも通じますが、そんな旅先での“出会い”がきっかけで、考え方が大きく変わるようなこともたくさんありました。旅好きな友達と、次はどこへ行こう?と計画するのも楽しいんです」
飾らず自然体で、心が惹かれるままに赴き、好きなものに囲まれて過ごす。そういったナチュラルな行動の集合体が、“夏帆さんらしさ”をつくっているのかもしれない。
そんな夏帆さんに、今回、身につけたパールジュエリーの感想を聞いてみた。プライベートでは、あまりジュエリーをつけないというが。
「普段はリラックスした服装で、かつ衣装に着替えることも多いので、ジュエリーはあまりつけないんです。でも今回、やはりジュエリーには気持ちが華やかになるパワーがあると再認識! 撮影のときは、先に服を着てから仕上げにジュエリーをつけたのですが、それだけでこんなに印象が変わるんだ!とあらためて驚きがありました。6月生まれなので、パールは誕生石。30代も半ばになり、パールを素敵にまとえるようになりたいと思っていたので、アイテムもテイストも色々なバリエーションを身につけることができて嬉しかったです」
この日が、パールとの新しい“出会い”になったかもしれない。
そんな夏帆さん自身も、ドラマの主人公・鮎美も、30代。作品を通じて、伝えたいメッセージがある。
「ドラマは一見ポップに描かれているけれど、その根底には、『時代とともに変わっていく価値観』や『誰かと価値観を共有していくことの難しさ』という深いメッセージがある作品。登場人物がとても魅力的なので、それぞれのシーンや感情、人間関係を楽しく追いながら、でもふとしたときに“自分はどうだろう?”って振り返るきっかけになる気もしていて。特に主人公の鮎美はバイラ読者の皆さんと同世代ですし、同じようにリアルな悩みもあると思うんです。それぞれ共感するポイントは違っても、きっと誰もが直面したことのある問題だけに、この作品を通じて見る人を応援できる、もうちょっとみんなが前に進める、そんな後押しができるよう日々現場のみんなと頑張っていますので、ぜひドラマを観ていただけたら嬉しいです」
グラフィカルに描いた花モチーフでラグジュアリーを気負わずまとう
可憐かつプレイフルに花の輪郭を描いた「チャンツ」コレクション。地金は、桜をイメージしたTASAKIオリジナルの“SAKURAGOLD™”。従来のピンクゴールドよりもやわらかな輝きが、上質なパールを品よく美しく引き立てる。「チャンツ シグネチャー」イヤリング(SG×あこや真珠)¥770000・「チャンツ」ネックレス(短)(SG×あこや真珠×DIA)¥1155000・(中)(SG×あこや真珠×DIA)¥1870000・(長)(SG×あこや真珠×DIA)¥3850000・「クーゲル」ダブルフィンガーリング(人さし指・中指)(SG×あこや真珠×DIA)¥517000・「チャンツ シグネチャー」リング(薬指)(SG×あこや真珠×DIA)¥486200/TASAKI(TASAKI) ジャケット¥77000(コラム)・トップス¥41800(メキシカーノ)/エストネーション
撮影/赤尾昌則〈whiteSTOUT〉 ヘア&メイク/秋鹿裕子〈W〉 スタイリスト/古田千晶 モデル/夏帆 取材・原文/東原妙子 ※素材表記は、YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、Pt=プラチナ、SV=シルバー、DIA=ダイヤモンド、SG=SAKURAGOLD™の略です ※BAILA2025年11月号掲載